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浦沢直樹「あさドラ!(3)」(小学館)
お待たせしました、浦沢直樹の長編マンガ「あさドラ!」(小学館)第3巻、3月4日発売の最新刊です。 「ゆかいな仲間」、ヤサイクンのいつものマンガ便に入っていました。中々素早いですね。ほかには「ブルージャイアント・シュープリーム(第10巻)」、「メタモルフォーゼの縁側(3)」、それに加えて「国境のエミーリャ」という新しいマンガも入っていましたよ。彼は、なかなか厳しい肉体労働者なのですが、お風呂が読書(?)タイムだそうです。それは、母親のチッチキ夫人譲りですね。ぼくには風呂で文字や絵を読む習慣はありません。 ところで「あさドラ!3」ですが、表紙の「アサちゃん」がとても可愛らしいですね。浦沢直樹のこういう絵がぼくは好きなんでしょうね。「アサちゃん」は17歳、高校三年生です。こんな女の子が同級生にいたら、男の子たちは毎日ドキドキして大変でしょうね。 時は1964年、東京オリンピックの年ですが、この年のNHKの朝ドラは「うず潮」でしたね。田舎の我が家にTVがやって来た年で、ぼくにとっては朝ドラ初体験の番組です。作家の林芙美子の自伝小説が原作ですが、主演の林美智子さんのことを本物の作家だと思い込んでいた記憶がありますから、見ていたのでしょうね。 朝八時過ぎと、お昼の一時前に放映されていたはずの番組を小学生だったぼくが毎日見ていたはずはありませんが、林美智子さんという女優さんの顔を、この番組で覚えたことは間違いありません。 ちなみに、朝の連続テレビドラマは、最近はちくま文庫とかが再刊して、ちょっとブームだった獅子文六の「娘と私」が第一回で、1960年のことですね。テレビのなかったぼくは知りませんでしたが、「ちくま文庫」はこの辺りの読者層を狙ったんでしょうか。もっとも獅子文六はたしかに今読んでも面白いのですがね。 マンガに戻りましょう。開巻そうそうこの絵です。海の向こうに怪しげなものが描かれていますね。ここからオリンピック開会の前日までがこの間の時間ですが、こんな懐かしい絵もあります。 白黒で描かれているこの空が青空に見える人は、ぼくと同世代ですね。白黒テレビでしか見てないはずなのに、「真っ青な空」にブルーインパルスが描いた五輪マークというキョーレツな捏造記憶の共有を浦沢直樹はよく知っていますね。 「どえりゃーでかんわ!!」 叫んでいるのはもちろん「アサちゃん」です。 空と言えば、このマンガでは少女パイロット「アサちゃん」の出番です。もちろん彼女は自衛隊員になったりしません。さて、どいう役割 で話は展開するのでしょうね。 こんなシーンもあります。 ぼくたちの世代にとって、もう一つの強烈な記憶として焼き付けられている人、円谷幸吉選手です。彗星のように登場して、オリンピック・マラソン銅メダルの栄光の数年後に「疲れ切って、もう走れません」という言葉を残して自ら命を絶った、悲劇のマラソンランナーです。二大会連続金メダルのアベベ選手や、君原健二、寺沢徹といった代表選手の名前を覚えているぼくの同世代には涙なしには読めない、彼の遺書は、今ではネットで読むことができます。 マンガの中で、その円谷選手の後ろ姿を街角で見かけて、後を追うのは「アサちゃん」の幼なじみ、マラソン選手になる夢を生きている「早田正太くん」です。 もっとも、マンガではブルーインパルスの大空の五輪はいびつな練習中のものですし、「早田君」があとを追う街角の円谷選手は石田さんちの若旦那ではあるのですがね。 で、最初のカラー画像の正体は?ってですか?それは、もちろん、次号でのお楽しみでした。次号、第4巻はいよいよ1964年10月10日です。いったい何が出てきて、何が起こるのでしょうね。ヤレヤレ、やっぱり次号待ちですね。 「あー、4号は五月くらいかなあ?!」 追記2020・03・16 「あさドラ」(1)・(2)の感想はここからどうぞ。 ボタン押してね! ボタン押してね! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022.04.01 09:52:46
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