「春ですね。満開です!これはカリンです!」徘徊2020年 4月4日 団地あたり
「ねえ、バス停のとこのカリン、花が咲いてるの知ってる?いい色なのよ。赤っていうんでも、ピンクっていうんでもないの。」
「うん、知ってる。写真も撮った。」
「あら、素早いのね。」
「へへへ。」
カリンは「花梨」と書く場合もありますが、マメ科の花の「花梨」とは違って、バラ科の落葉高木だそうです。木瓜の仲間とされていた時もあって、木瓜と書いて「かりん」と読んでいたこともあったそうですが、今の分類では違うらしいですね。花は少し似ています。という訳で。カタカナで表記しています。
大寺の しかも禅寺 花かりん 森澄雄
かりんの花 数へたくなる やさしさに 相馬遷子
達治の忌 過ぎてかりんの 花あまた 古川照子
達治の忌というのは、詩人の三好達治の命日ですね。1964年の4月5日です。教科書のこんな詩でご存じの名前だろうと思います。
雪
太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪ふりつむ。
次郎を眠らせ、次郎の屋根に雪ふりつむ。
この詩ですね。ちょっと季節が違います。でも、まあ、三好達治といえばこの詩でしょうか。なんか、なにはともあれ、すごいと思います(笑)。
甃のうへ
あはれ花びらながれ
をみなごに花びらながれ
をみなごしめやかに語らひあゆみ
うららかの跫音空にながれ
をりふしに瞳をあげて
翳りなきみ寺の春をすぎゆくなり
み寺の甍みどりにうるほひ
廂々に
風鐸のすがたしづかなれば
ひとりなる
わが身の影をあゆまする甃のうへ
こっちの詩は、この季節ですね。これも高校の教科書に出ていたはずです。どれくらい覚えていらっしゃるか、漢字の読みがなはつけませんね。
この「満開」報告も、そろそろ桜でしょうか。「春ですね。満開です」(その1:木蓮)・(その2:花桃)・(その3:木瓜)はそれぞれクリックしてみてくださいね。
追記2022・05・10
どういうわけだったのか、自分でわかりませんが、今年はカリンの花を撮り忘れました。場うどうり沿いの、一番目立つところにあるのですが、どうしたのでしょうね。満開を過ぎたころに気づいて撮ったのが下の写真です。
花は毎年、毎年、律儀に咲いているのですが、その年その年の人間側の都合があるようです(笑)。
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