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ゴジラ老人シマクマ君の日々

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2020.05.01
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​​​​2004年 書物の旅「ぼくが50歳だった頃、教室で」その22

​牧野信也『イスラームとコーラン』(講談社学術文庫)
                 講談社BOOK倶楽部
 一学期に中国の話が出てきて、ふと、思い浮かんだことがあります。ぼくたちの世代にとって「世界史」というのは「西洋史」と「中国史」だったのではないかということです。

 モチロン地球上にはアメリカ大陸もアフリカもある事を知っていましたし、アジアの中にはインドやベトナムがあるコトも地図の上では知っていました。しかし、高校生であった、その昔のぼくたちにとって世界史の教科書は中国とヨーロッパにしか窓を開けていなかった印象が強いのです。
 当時の大学入試でインド史やアフリカ現代史が出題されるのは奇問の類として話題になるようなことだったのです。要するに頭でっかちの受験高校生にとって意味があるのはフランス革命であり、ローマ皇帝であり、中国の唐や元の文化や王朝交代でした。
 「元」が中央アジアからヨーロッパに至る世界帝国の東アジアでの顔であり、「モンゴル帝国」がキリスト教社会からイスラム社会、現代のインド、アフガニスタンまでをも包含する広大さに関心を寄せることの大切さについて、実に無頓着だったように思います。
 「考えてみればこれはへんな話だ。」
 そんなふうに、最近になってちょっとこれではあかんのではないかと思い始めました。
 たとえば何号か前に鶴見俊輔のコラムを「案内」しましたが、彼が書いていた「イスラム社会に対する我々の無知」についての問題もこのあたりのことと関係すると思うのです。つまり世界に対するぼくたちの無知について、ちょっと真摯にならんとアカンのではということです。
 長い前フリになりましたが、この「読書案内」の大人の読者の方が「高校生諸君へ」と送ってくださった、こんな紹介があります。

 ​牧野信也『イスラームとコーラン』(講談社学術文庫1987発行)​

 ​この本を読んで、何となくすっきりした気分になりました。イスラム教は、日本人にわかりにくいとよく言われます。歴史を振り返っても、キリスト教に比べてなじみがなかったですね。でも、この本の作者は「我々日本人は、イスラム教の伝統を持たない反面、ヨーロッパ人がややもすれば持つイスラム教に対する偏見からは全く自由であり、その意味ではイスラム教を第三者の立場から比較的公平に見ることができる」と言っています。
 同感!砂漠に住むアラブ人は、砂に残る足跡を見、耳を澄まして全体の状況を判断し、具体的かつ即物的に考え行動してきたのだとあるくだりを読むと、全く違うところに住んでいる人々の感覚を少しわかったような気持ちになりました。お勧めします(U)​


​ ​​​​​Uさんはぼくと同じ世代の人です。だからイスラム教に対するUさんの「なじみの無さ」という気持ちにとても共感して、ぼくもこの本を読よみました。
 著者の牧野信也という人は『コーラン』(岩波文庫)を翻訳した井筒俊彦というすごい人のお弟子さんです。といっても、もうお爺さんですがね。
 先生の井筒俊彦がなぜすごいかといえば、『コーラン』というのはイスラム教の経典ですが、元々書かれたアラビア語で読まなければ意味が無いんだそうで、学識もさることながらそんな本を翻訳している所がすごいでしょ。日本語に訳すと意味を失う本なのですよ。
 学術文庫は高校生には少し難しいかもしれません。でも、とてもわかりやすく書かれた文章だから大丈夫ですよ。​​​​​
​​​ イスラムやアラブの社会に対する関心がようやく広がり始めていて、若い研究者の本にも興味が集まっています。

​ たとえば、池内恵『現代アラブの社会思想』(講談社現代新書)は特に最近評判の一冊です。文章はイマイチだと思いますが、エジプトのカイロに住んで報告している内容のリアリティは臨場感に溢れています。
 この人のお父さんは最近カフカの新訳を全集で白水社から出した池内紀というドイツ文学の人です。お父さんの話はきっとそのうちでてくると思いますよ、この「案内」で。実はファンなんです、お父さんの、だから息子さんの本を読んだというわけですね。​​​
 ​
​​ついでといったらなんですが、死んでしまった思想家でエドワード・サイードというパレスチナの人が書き継いでいた『戦争とプロパガンダ』(みすず書房)というシリーズがあります。これはアメリカの大学で教えていながらパレスチナの現状に対してとてもリアルで真摯な意見を、まさに叫んでいる本です。
 彼を一躍有名にした仕事は『オリエンタリズム(上・下)』(平凡社ライブラリー)という本です。その中ではヨーロッパ中心の ─ なぜか日本の教育もこの範疇に入る ─ 近代社会の歴史に対する見方を徹底的に批判しています。
 ぼくたちのようなアジアの片隅の社会の人間が、何故ヨーロッパや北アメリカのキリスト教文化や、ものの考え方、歴史観を唯一絶対の正しいこととして受け入れ、学校でも教育するようになってしまったのか。そんなことを考えさせる力がある本です。
 でも、そう考えはじめると本当に勉強しなければならない対象は、ぼくたちが生きているこの国の歴史というコトになりますね。読書の秋、もっと遠くまで関心の射程を広げてみてはどうでしょうか。近くに対する興味もそこから生まれてくるかもしれませんなりますねよ。(S)​​

​追記2020・04・19
 ​15年という歳月は確実に流れましたね。牧野信也池内紀エドワード・サイード、みんなこの世の人ではなくなりました。池内さんの息子さんの池内恵は、今や、多分、偉い学者さんです。最近は読んでいないからわかりません。
 この国では、事実無根の歴史修正主義が大手を振って登場し、近隣の国々の悪口を平然と煽っています。教育現場では「歴史」の教員や管理職の中に、名前はあげませんが、ぼく言わせれば偽物の「ナショナリスト」たちの「ネトウヨ」本に依拠した発言を教室や集会で「もっともらしく」語る風潮が広がっているようです。
 不気味なことに、彼らは一様に、何の面識もない権力者を「サン」づけで呼ぶのですが、小説「三四郎」の広田先生の言葉を借りれば、この国は「滅び」の坂道を転がり始めているのかもしれませんね。
 まあ、ぼくも、池内さんとか書いているわけですが、「アベサン」とかいうよりは少しマシじゃないかと思っています。


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最終更新日  2023.11.02 23:49:41
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