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ゴジラ老人シマクマ君の日々

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「明石城の藤の花」徘徊日記​​​​​​​​​​​​​2020年4月30日
​​ いよいよ4月も終わる日です。一ケ月、まるまるエイプリル・フールのような日々が続きましたが、今日は明石城にやって来ました。​​
 JRの明石駅を北に出ます。そこがお城のお濠です。お濠にそって西に歩けば大手門ですが、東に歩いて文化博物館の隣のエレベーターに乗りました。乗って見たかったんですね。多分、自転車でも乗れるはずです。昔、高校生の友達に聞いたことがあったんです。そこから西に歩いて城の内に入ります。
 お城で石垣です。ここから迷路のように県立図書館目指して進みます。
 おや、ノラ君です。中々な目つきですね。ちょっと、逃げだそうと構えたようですが、こっちを見ています。
 ​写真を撮ってもビビりません。よしよし、ノラ君の前を通って右に行くと図書館です。​
 もちろん閉館中です。県立の図書館ですが、ぼくは県立の建物にいいイメージを持ったことがありません。ここも何となく避けてきた図書館です。まあ、不便なんですよね、少し。
 ロビーの前の回廊で床に座った老人が本を読んでいます。日ざかりのベンチでは老婆がスマホを覗いていました。置物ではありませんよ。
​ 建物の正面ではハナミズキが満開です。​
 少しズーム・アップしてみますね。
​ 隣りに、もう一本、色違いですね。​
 とは違う、すずしさのようなものがありますね。ボクはサクラが散るとこの花を探してしまいます。初夏の花なんでしょうか。
 それにしても、人気のない図書館に二人の老人、いや、三人の老人です。読書とスマホとカメラです。
 
図書館の前の木立にこんな石碑がありました。
​​​ 明石の空襲の慰霊碑です。1945年のことです。​​​
​​​​ ぼくの母親は、この当時、生野の女学校の生徒だったそうです。17歳だったはずです。明石の西の土山というところに学徒動員で来て働いていたそうですが、神戸や明石が空襲で燃えて、空が真っ赤になるのを夜中に何度も見たという話と、新開地聚楽館という映画館で映画を見たことがあるという話を、亡くなる前の夜、病室に付き添うと繰り返ししていました。
 この石碑にある7月7日の夜も同級生と互いの手を握り合いながら赤く焼ける東の空を見ていたのでしょうか。
 しばらく、立ち止まってお茶を飲んで振り返ると、図書館の壁一面のでした。
​​ が終わると探し始める、もう一つの花がですね。ボンヤリ佇んでしまう光景です。​​​​

死者たちの 時間藤房 揺るるのみ    奥坂まや

​藤房の 揺れる長さの 違ふ風      稲畑汀子

​​
公卿若し 藤に蹴鞠を そらしける    橋本多佳子​​
​ 今日は県立図書館の駐車場あたりで、旧友と再会です。人のあまりいないお城のベンチでお茶でもしましょうというわけです。そろそろ約束の時間です。それでは残りの明石城は次回ということで。
​​​

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最終更新日  2023.11.02 23:45:20
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