沖田修一「南極料理人」パルシネマしんこうえん
2020年6月12日、パルシネマの二本立てのもう一本がこれでした。もうずいぶん古い映画ということになりますが、映画になる前だったと思います、西村淳の原作「面白南極料理人」・「笑う食卓」(新潮文庫)という南極シリーズのファンでした。
南極のコックさんの料理の工夫というのが面白かった記憶があります。映画にも出てきますが、伊勢えびの海老フライの話も、間に合わせの「かんすい」でラーメンを打つ話もありました。
人気ライターになった西村淳は、海上保安庁を退職して、あれこれたくさん書いていますが、ぼくは、まあ、二冊で飽きてしました。
映画は、当時人気の俳優堺雅人が西村隊員役でヒットしたと思いますが、ぼくのイメージした著者西村淳とあまりにもかけ離れていたこともあって見ませんでした。その後テレビでも放映されて、我が家の人々は見ていたと思いますが、見ませんでした。
というわけで、初めて見ました。面白かったですね。
「原作とは違っているな。」
と感じたのは登場人物の個性の描き方でしたが、デフォルメされた「へんな人々」のありさまが鼻につくかなと思いましたが、俳優陣が芝居ができる人という安定感があえい、なんともいえないペーソスを作り出していました。へんだけど、このタイプはありかなという感じのリアリティです。
もう一つは、余計な効果音や音楽を流さない演出ですね。割合静かな映画だと思いました。セリフもたくさんあるわけではありません。しかし、登場人物の「動き」、「表情」、「少なめのセリフ」、つまりは「間」によって展開させる物語の進行に好感を持ちました。こういうの、ぼくは好きです。
帰ってきた西村隊員が、お嬢さんと遊園地のハンバーガーにかじりついて、「おいしい!」というセリフ、あの、堺雅人君が、困ったような困っていないような顔でボソッと言って映画は終りました。
「やっぱり不味かったんかい!?」
というのがぼくのツッコミでした。
ロケ地は北海道だったんでしょうかね。それでも十分寒そうでしたが、外で裸っていうのは、ヤッパリ命懸けなんでしょうね。
監督 沖田修一
原作 西村淳
脚本 沖田修一
撮影 芦澤明子
美術 安宅紀史
音楽 阿部義晴
フードスタイリスト 飯島奈美 榑谷孝子
VFX 小田一生
キャスト
堺雅人(西村淳 調理担当)
生瀬勝久 (本さん 雪氷学者)
きたろう (タイチョー 気象学者)
高良健吾 (兄やん 雪氷サポート)
豊原功補 (ドクター 医療担当)
西田尚美 (西村の妻・みゆき)
古舘寛治 (主任 車両担当)
黒田大輔 (盆 通信担当)
小浜正寛(平さん 大気学者)
小野花梨(西村の娘・友花)
小出早織(KDDインマルサットオペレータの清水さん )
2009年製作・125分・日本
2020・06・12パルシネマno25
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