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ゴジラ老人シマクマ君の日々

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2020.07.02
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​「ちょっと、ここ、いいですか?」 
  徘徊日記 
2020年6月26日「アートヴィレッジから上沢あたり」

 珍しく朝早くから出かけてきて、映画を見終わったら昼でした。新開地アート・ヴィレッジの前で休憩して窓ガラスに映る道行く人の人影を撮っておもしろがっていると隣に「おバーちゃん」が座りました。
「ここに座っていいですかしら?」
「あ、ごめんなさい。タバコ止めますね。」
「ありがとうございます。ここにね、デイ・ケアが迎えに来るんです。」
「デイケア?」
「あのね、体操するんです。お歌うたったり、お話ししたりじゃなくて体操。それで通っているんです。」
「ああ、はい。体操ですか?」
「あなたは、私の息子くらいでいっらしゃるかしら。私ね、90越えちゃったんです。」
 新コロちゃん騒ぎで座るところがどんどん撤去されていて、街灯の礎石のベンチ(?)に二人で座っておしゃべりでした。
 お年をうかがって、慌ててマスクを装着しましたが、まあ、大丈夫でしょう。しばらくおしゃべりをしていましたが、デイケアの送迎車はやって来ません。
「じゃあ、ぼくは、ちょっとここから西のほうに歩けるだけ歩いて帰ります。お元気でいてくださいね。」
「ああ、お元気ですね。じゃあ、さようなら。」
​というわけで、新開地本通りを北に上がって、​上沢通を​高速長田の方に向かって歩き始めました。​

 ​最近、電柱とかに貼られている住所標識を撮るのがうれしいのです。ここは上沢通四丁目です。もう少し歩くと30年前、職場に通っていた通勤路です。​



 写真のズーッ向うが房王子町で、遠くに小さく昔の職場が見えます。ここから歩けば5分ほどです。
 で、ここは市営地下鉄の上沢駅です。職場の最寄り駅でした。
周りの風景はかなり変わりましたが、駅の入り口は変わりませんね。自転車が勝手に留められているのも同じに見えます。


 西に向かって、もう一駅歩くと高速長田駅です。ああ、もちろん市営地下鉄の長田駅​​もあります。


 たどり着きました。高速長田の交差点です。ここには長田神社の石柱があります。カメラを少し左に向けていれば大きな鳥居が写ったはずなのですが、気が利きませんね。
 神社そのものは、ここから北に歩いて5分ほどのところですが、ぼくは南に歩き続けるつもりです。では(その2)​・​(その3)に続きます。新長田駅「鉄人」と出会うつもりです。今回はなんの見せ場もありませんでしたね。

追記2022・04・17

 新開地本通りにある神戸アートヴィレッジセンター、略称KAVCカブックが、地下の小さな劇場でやっていた映画部門の活動を2022年の3月で停止しました。偶然でしたが、3月の30日だったかに映画を見に行っていて、顔見知りの職員の方に事情をうかがいましたが、ショックでした。1990年代の後半、ほとんど映画を見なくなっていたのですが、ここだけはちょくちょく通いました。半日がかりで「ショア」とか、想田和弘「演劇1」・「演劇2」の二本立てを見たり、ナショナルシアターの鑑賞講座に参加したりしたのが思い出です。王子動物園の改修(?)問題が話題になっていますが、神戸市が最近やっている文化行政がお金を目安にして、露骨な節約・お金儲けを目的にしていることに、不愉快な気分を感じ続けていますが、ここも、たぶんその流れなのでしょうね。文化や教育をお金儲けの物差しで測り始めている世相には、つくづくうんざりします。
 まあ、そういうことで、KAVCに出かけることもなくなるわけで、新開地のひなびた街角で、偶然出くわした、見ず知らずのおばーちゃんとはなしをすることもなくなると思うと、やはり寂しいですね。

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最終更新日  2023.12.27 23:25:24
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