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カテゴリ:読書案内 ジブリの本とマンガ
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宮崎駿「風の谷のナウシカ(全7巻)」(アニメージュコミックス) KOBAYASI君の「夜の蝉」で日高敏隆さんの「ネコはどうしてわがままか」 (新潮文庫)という本を思い浮かべていました。初登場のERIKOさんが困ったらそのあたりかなと思っていました。 この文庫の中に、生涯一度だけ作った高校入試の問題文に使った「セミはなぜ鳴くか?」というエッセイがあって、思い出深かったわけです。ERIKOさんの方がシャレてましたね。「蝉」より「蝶」でした。 さて、日高敏隆です。 日高敏隆という名前を聞いて最初に浮かぶのは、ムツゴロウこと畑正憲ですね。「われら動物みな兄弟」(角川文庫)だったか「生きる」(ちくま文庫)だったかに、アメーバーをいじっていたムツゴロウのそばで蝶の蛹をすり潰している、若き日の日高敏隆が登場します。 東大の動物学教室の先輩・後輩だったんですね。それが、日高敏隆の名を知った最初です。彼は当時、岩波書店の編集者だったはずです。 フフフ、日高つながりならこれで行くかと思っていると、女性の書き手がどうのとか、ユクスキュルに始まってローレンツも、ファーブルも話題になっているじゃないですか。 あわわ、オイオイです。 それでは「虫愛づる姫君」の路線もあるなあ。それにしても「堤中納言物語」はどこにあったかな。と、まあ、あれこれ思案に暮れていて机の横の積み上げた小山の上にありました。(写真を添えたいくらいです) 同居人が20年間押し入れの奥に秘蔵していたこれです。書き手は、いかつい男性ですが、主人公は「蟲」を愛し、「蟲」達と生きる少女です。 女性の著者ではありませんが、「マンガ」は初登場ですよね。ふふふ。 宮崎駿「風の谷のナウシカ(全7巻)」(アニメージュコミックス) ぼくはアニメの「風の谷のナウシカ」を見た方が先でした。1983年に劇場公開された映画ですが、見たのは90年を過ぎてからですねきっと。劇場ではなく、ビデオかテレビです。まだ小さかった「ゆかいな仲間」と一緒に見て感動しました。 「マンガの方が面白いよ。」 という一言を隣で見ているチッチキ夫人に言われて、カチンときた記憶が今でもありますから。 「その者青き衣をまといて金色の野に降りたつべし」 今でも、時折ふと口ずさむことがある、あの映画の、あの「名セリフ」は、マンガ版では第二巻に出てきました。それは「風の谷」の大ババさまの口からではなく、「土鬼ドルク」の異教の僧が唱える「黙示録」というべきか「創世記」というべきか、とにかく、大きな物語の始まりにを予言する言葉でした。 そこから最終巻まで、戦いに次ぐ戦いです。マンガは戦場のナウシカを描き続けます。巨神兵とナウシカの関係も想像を超えていました。トルメキアの王女クシャナ姫と王国の行く末も映画では予想もできない結末でした。 「その者青き衣をまといて金色の野に降りたつべし」 宮崎駿は渋谷陽一のインタビュー(「風の帰る場所(正・続)」ロッキン・オン)でも、司馬遼太郎、堀田善衛との鼎談(「時代の風音」朝日文庫)でも繰り返し、思い通りではなかったアニメ版について語っていますが、マンガ版を読み終えてみると、なるほどそうかと納得がいきました。 それにしても腐海の剣士ユパのこんな言葉がさりげなく心に残るのです。 「すすめ いとしい風よ」 遅まきながらでお恥ずかしいのですが、傑作でした。(2020・05・28 SIMAKUMA) 追記2024・01・20 ボタン押してね! ボタン押してね! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.02.22 11:37:09
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