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谷川俊太郎「ベージュ」(新潮社) 谷川俊太郎の新しい詩集です。2020年7月30日に出版されています。図書館の新入荷の棚で見つけました。
どこ? 谷川俊太郎の詩を読むときには、何となく「青空」を探してしまいます。上に引用した「どこ?」という詩は、詩集のいちばん最後に載っている作品なのですが、ここまで読んできて、いくつかの詩に「青空」という単語がでてきます。 たとえば、最初の頃にある「イル」という詩には、 「空が青い 今も昔も青いが」 とか、「この午後」という詩には 若いころ、青空はその有無を言わせない美しさで、限りない宇宙の冷酷を隠していると考えたものだが、人間の尺度を超えたものに対するもどかしさと、故知らぬ腹立たしさのようなものは、齢を重ねた今も時折私を襲う。 といった詩句が出てきますが、この詩を選んだ理由は 「まなつのあさのくだりざかをわすれてはいけないな」 という言葉が気に入ったからです。この言葉が書かれた結果、この詩全体を覆う「青空」を感じたからという方が正直でしょうか。 この詩は「場」という言葉以外、すべて、ひらがなで書かれていますが、谷川俊太郎は「あとがき」で「ひらがな回帰」について 「文字ではなく言葉に内在する声、口調のようなものが自然にひらがな表記となって生まれてくる」 といっています。 コロナ騒動の最中に出来上がった詩集だったようです。ぼくのような読者には、ちょっと、感無量な「あとがき」ですが、お元気で、「詩」を書き続けられることを祈ります。 ボタン押してね! ボタン押してね! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.05.10 00:37:32
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