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カテゴリ:映画 日本の監督 タ行・ナ行・ハ行 鄭
ホンマタカシ「建築と時間と妹島和世」元町映画館
建築家の名前も、映画を撮っている監督の名前も知りませんでした。もちろん建築関係者でもありません。ああ、偶然ですが、被写体であった大阪芸術大学の関係者、卒業生は、なぜか、結構たくさん知っていますが、映画とは何の関係もありません。 で、どうだったかって? なぜか、退屈せずに見てきました。今考えてみて面白かったことはいくつか挙げられます。 一つは、ある時間をかけて、模型を作って、図面ができて、現場があって、また模型を作り直して、予算があって、また図面を引き直して、現場にやって来て、工事のクレーンがあって、少しずつ風景が変わって行って、まあ、変なおばさんがヘルメットをかぶってウロウロして、建物が出来上がって行って、遠くから見ると、なんだか違う風景が出来上がるという、言ってしまえば、そういうプロセスですね、それが、一寸、ワクワクしながら、見ていて面白かった。 二つ目は、数日を早回しして見せるシーンが何度かあるのですが、それが、何を意味しているのか、最初はわからないのですが、朝から夜、次の朝、昼、また寄る、というふうに工事現場が撮られていて、そのシーンを設計者の妹島和世さんが見ているシーンがあって、「おや?」と思いました。 一日とか、一週間とかのスパンで、風景は変わりますよね。で、時間のスパンによって変化の印象も違います。同じ工事現場があるのですが、ぼくのような素人の目線だと、人の位置とか、クレーンの角度とか、日の光とか闇とかにしか気付きませんが、きっと、もっと要素がたくさんあるのでしょうね。繰り返しの音楽の中で、そういう変化の「印象」を映し出している感じがして、かなり面白いと思いました。 三つ目ですが、実は、出来上がった建築物には、さほど感心しませんでした。それより、建築家として登場する妹島和世という人は、とても面白かった。 映画.com この人なのですが、ご覧の通りロンドンブーツみたいな、高下駄みたいな靴をはいていらっしゃるのですが、まず、それが「おおー、何だこの人は!」という驚きでした。ほとんど同じ年の方なのですが、このいで立ちで、工事現場に立つのですから、ちょっと、すごいなあという感じでした。 あと、この人が語る様子が映るのですが、考えていらっしゃることが、どうも言葉ではうまく言えないという、当たり前と言えば当たり前のことが、直に写っている印象で、それが、ロング・スカートと高下駄靴という形をしていそこにいて、なんだかツーカイでした。 でも、ことばと現実の狭間に「建築物」や、その「建築物」を取り巻く風景がある感じは、かなり興味を惹かれましたが、だからどうだということが、こちらに浮かぶわけではないので、「まあ、なんか、そんなふうなのかなあ?」というあやふやなことしか、やっぱり、言えないわけです。 というわけで、何にも知らないし、建物にも、格別の興味を感じるわけではない割に、むしろ、ホンマタカシという名前が気になった映画でしたが、ちょっと、現物を見てこようかなと思っている今日この頃です。 監督 ホンマタカシ エグゼクティブプロデューサー 内藤久幹 プロデューサー 内田現 アソシエイトプロデューサー 吉野裕介 撮影 ホンマタカシ 音楽 石若駿 キャスト 妹島和世 2020年・60分・日本 2020・11・30元町映画館no63 にほんブログ村 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.01.25 21:27:25
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