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ゴジラ老人シマクマ君の日々

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2021.01.02
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​​​​水木しげる・鶴見俊輔対談「ユートピアはどこに」
                (「学ぶとは何だろうか」晶文社)​

 ​​「この世界の片隅で」​​というマンガを読んでいると、主人公の「すずさん」
​​「誰でも何か足らんぐらいで、この世界に居場所はそうそう無うなりゃあせんよ すずさん」​​
​ 「白木リンさん」が言うシーンがあって、その後、絵を描くことが好きな「すずさん」が爆弾で右手を失います。​
​​ 「ペリリュー」という武田一義さんのマンガでは、マンガを描くことが大好きな主人公「田丸1等兵」が南の島で敗戦を迎え、数年後にようやく帰国するという物語が描かれています。​​
​​​ 二つのマンガは、それぞれ戦後生まれのマンガ家の作品ですが、読みながら思い出しました。絵を描くことが好きな少年が、徴兵された戦地で左腕を失いながら、のちに「ゲゲゲの鬼太郎」で人気漫画家になった水木しげるです。​​​
​​​​「のちに」などと簡単に書きましたが、水木しげるが人気漫画家になったのは1960年代の終わりごろです。「週刊少年マガジン」「墓場の鬼太郎」で掲載していたマンガの題名を「ゲゲゲの鬼太郎」と変えた頃からのことで、アニメ・マンガとしてテレビにも登場しました。 ​​​​
​​​ こう書いているぼくは、当時、中学生でしたが、アニメ化された「鬼太郎」をはじめから見ていて、主題歌のさわりなら今でも歌える世代なのですが、テレビの人気者になるのは、作者水木しげるが復員してから20年以上の時が経過しています。​​​
​​​​ まあ、その水木しげる2015年93歳で亡くなっているのですが、その年に哲学者の鶴見俊輔も亡くなっています。二人は1922年生まれで亡くなった年もおなじですが、日本での最終学歴が高等小学校卒というのも同じです。​​​​
​​​​​​ もっとも、鶴見俊輔はアメリカに渡り、ハーバード大学19歳で卒業していますから、別格なのですが、水木しげる武蔵野美術大学を中退しています。​
 その二人が1970年に対談している「ユートピアはどこに」という記事が「学ぶとは何だろうか」(晶文社)に載っています。考えてみると、50年前の会話です。​​​​​

​​「あの戦争で水木さんが腕をやられたのは何年ですか。」
「昭和20年です」
「何月ですか。」
「三月か四月ごろです」
「なんでやられたんですか。」
「爆弾です。」
「アメリカが落としたのですか。」
「ええ、しょっちゅう来るんですよ。意味もなく爆弾落とすことありますね。毎日です よ。だからアメリカの飛行機が来ると、じっとしてるんです。そのとき空が見えんくらいいっぱいきて、こわいなと思ったら二、三発落ちてからだが宙に浮いたんですね。」
「ラバウルですね。治るのにだいぶかかたでしょう。」
「麻酔かけられるまですごく痛かったですね。七徳ナイフみたいなもので切られた気がします。あくる日気がついたらなかったんです。ウジなんかわきますね。」

「治ったときは終戦でしたか。」
「そうですね。」

「敗戦はどこでですか。」
 「そこの野戦病院です。そこに1年か1年半いましたかね。めちゃくちゃ日本に帰りたかったです。それで日本に帰ってきて相模原病院に入ったですね。」
「日本に帰ってきたのはいつですか。」
「自分は年月を覚えないから。終戦はいつですか。」
「昭和20年の8月15日。」
「はあ、すると22年くらいじゃないですか。」
「すると戦争終って2年間ラバウルにいたわけですか。」
「ええ。相模原病院へ入れられて、トウキビの硬いパンですよね。コメの買い出しにも行きました。」
「相模原におられたときに美術学校へ行かれたんですか。」

「ええ。武蔵野美術大学に行きながら、傷痍軍人の連中と街頭募金とか月島で魚屋やったりしたわけですよ。おもしろ半分にその連中の仲間に入っちゃたんです。」
「白衣着て学校へ行ったんですか。」
「ええ、はじめのころは、白衣着て行ってましたね。無神経だったんですな、いま考えると。」
「いや、それはいいことですよ。いまも白衣着て歩かれたらいいですよ。」
「試験受けるときも白衣着ておったんです。彫刻の先生がえらく同情してくれましてね。自分は試験というのは落ちるものと決まっていましたけど、武蔵野だけはとおったです。白衣着ていたせいでしょうね。」(「学ぶとは何だろうか・ユートピアはどこに」)

​​ ​きりがないので、この辺りでやめますが、微妙に会話がちぐはぐなのが面白いですね。ぼくの世代だと、白衣を着て松葉づえをついて募金箱を首からぶら下げた「傷痍軍人」の姿を知っている人がいるかもしれません。子どもだったぼくには、不思議な光景の記憶ですが、水木しげるは、これを商売にして募金の全国行脚をしたこともあるそうです。​​
​​​ 妖怪マンガ水木しげるの代名詞になっていますが、戦争を描いたマンガもあります。
 マンガ家の目で戦場を見て、足りなくなった体で戦後を生きのびた水木漫画の世界が、最初にあげた、戦後生まれの二人のマンガの世界の生みの親ということも考えられそうです。そういえば武田一義も​「タマちゃん」​が足りなくなった人でした。​​​

​​ 話し相手の鶴見俊輔という人がぼくは20代から好きだったのですが、彼は「座談の名手」として知られています。「鶴見俊輔座談」と銘打たれたシリーズは全部で10巻あります。​​
​​​​  鶴見俊輔座談(晶文社刊)・全10巻リスト​というサイトに一覧表がありますが、没後、​「昭和を語る 鶴見俊輔座談」(晶文社)というダイジェストが出版されましたが、この水木しげるとの対談は載っていません。​対談の続きに興味をお持ちの方は図書館ででもお探しください。
追記2022・08・25
 まあ、個人的な事件ですが、新コロちゃん騒動にとうとう巻き込まれてしまってうんうん唸る暑苦しくも悲惨な2022年の8月も、あと1週間です。
 当事者として、芳しくない「出来事」を体験するのは、多分「ひょっとして…」と想像する恐怖心のようなもののリアリティというか、実感というかとして残る、その残り方が、体験していない人と違うのでしょうね。
 戦争という実体験について、その、残り方を「いかに面白く描くか」と、ひょうひょうとマンガに描いて生きた水木しげるから、​体験談を聞く鶴見俊輔の立ち位置がぼくは好きです。
​​​
 熱にうなされながら思い出したので修繕しました。
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最終更新日  2022.08.25 17:13:21
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