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ゴジラ老人シマクマ君の日々

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2021.02.15
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セルゲイ・ロズニツァ「アウステルリッツ」元町映画館
​​​​​ セルゲイ・ロズニツァ監督の、ソビエト・ロシアの歴史資料フィルムの編集映画ともいうことができる「粛清裁判」「国葬」という二つの映画を見た後、見た映画が、「群衆」と名付けられたシリーズの3本目、今日の「アウステルリッツ」でした。​​​​​
​ 見終わったあとで調べてみると、ベルリン郊外にある「ザクセンハウゼン強制収容所」であるらしいことがわかりましたが、見ている間は、写っている場所がどの収容所なのか、ぼくにはわかりませんでした。しかし、映像に映し出されている人々が、歴史遺産として「観光地」になっているらしい「強制収容所」の跡地を訪れる観光客の情景であることはわかりました。​
 全編白黒の画面でしたが、動かないカメラによって、明るい日射しの中に揺れる木立や、歩いている人たちの和やかな様子が映し出されて映画は始まりました。
​ やがてカメラ移動して、鉄格子の扉に「ARBEIT MACHT FREI(働けば自由になる)」という文字がはめ込まれた入場門あたりを映し始めます。​
 大勢の人間が、立ち止まったり、連れ立ったりして、次から次へと歩いてやってきます。門の前で、家族写真や友人たちとの集合写真を「自撮り」棒を駆使して取っているグループもあります。門の中から、外にいる知り合いに声をかけているらしい様子も見えます。犬を乳母車に載せている人もいます。
​ 映画はここまで無言です。「ARBEIT MACHT FREI(働けば自由になる)」というテロップ以外、何の説明もありません。​
 この標語は、確かアウシュビッツにもあったはずだが、あれはアーチの上にあったんじゃなかったか?と、あやふやな知識でゆっくり考えこんでいる間、スクリーンには同じ場所が映り続けていました。
 次に映ったのは建物の窓でした。ガラスの窓越しに中を通る人たちの姿が動くのですが、カメラがとらえているいくつかの窓のうち、正面の窓の部屋を見学している人影はよく見えますが、特にズーム・アップしたりするわけではありません。人影として見えているのが収容されている犠牲者ではないのか、と錯覚してしまいそうです。たしかに、何となく、時間の感覚が揺さぶられ始めている感じがあります。
​​ こうして、少しずつ収容所の内部をカメラの位置は動いていきます。突如、ベートーベンの音楽の一節が聞こえてきたり、​話し声​が聞こえたりしますが、ナレーションが入るわけではありません。ベートーベンは携帯の音のようです。​​
 後半に入ったころから、見学者に、収容所について解説する案内人の声が聞え始めます。カメラは見学者たちの動きに沿って動いているようですが、収容所内の光景を追うわけではありません。
​ なるほど、こういう映画なのだと思いながら、収容所見物の人たちに見入っていると、教会の鐘の音が聞こえてきました。おそらく、収容所の近くにある教会の鐘の音なのでしょう。​
​ ハッとしました。そして、画面から聞こえてくる鐘の音を聞きながら、頭の中にこんな文句が浮かんできました。​
「鐘が聞こえるお城が見える」
 今から、80年前に、この映画が映し出している「この場所」にいた人たちも、この鐘の音を聞いたんじゃなかったか。
 途中で予想したとおり、カメラは、再び入場門に戻ってきて、映画は終わりました。
​​​ ぼくは、勝手に、あやふやな「記憶」に浸って見ていましたが、映画が終わって、ここのところ続けて見てきたセルゲイ・ロズニツァ監督の、このシリーズに「群衆」という総題がついていたことに、ようやく思い当たりました。
 三作とも、主役は「群衆」でした。で、​「群衆」​って何なんでしょう。​​​

  映画を見ながら浮かんできた言葉は、ある詩の文句の間違った引用でした。
 正しい引用はこうです。​
季節(とき)が流れる、城寨(おしろ)が見える、
無疵(むきず)な魂(もの)なぞ何処にあろう?
​​​​​ 詩人の中原中也が訳して「幸福」と題したアルチュール・ランボー「Bonheur」という詩の冒頭です。​​​​
 映画を見ていて、もうひとつ浮かんでいた言葉がありました。​
思い出は狩の角笛
風の中に音は消えゆく 

​​ ​こちらはギヨーム・アポリネール「ミラボー橋」の詩人ですが、彼の「狩の角笛」という詩の一節だったと思います。​​
​​​​​​​ 映画の中の「鐘の音」に、やはり、かなり揺さぶられていたようです。「鐘の音」が、「歴史」と言えばいいのでしょうか。響きそのものが「過去」からの「​​​時の流れ」を、一気に凝縮し、「現在」に結びつけていると感じたのでしょうね。​​​​
​ このシリーズを「群衆」と監督自身が名付けたのであれば、それぞれの時代や社会を生きていた、あるいは、殺された、そして今も、現代という時代を生きている、あるいは、時代の中で殺されている無数の人間の姿を刻印したかったということでしょうか。​
​​ スターリンや​ヒットラー​に対する批判は、それぞれの映画に明確に表現されているわけですが、それ以上に、その世界で生きている「群衆の姿」の中に「人間」の真実をさぐろうとしているという意図を強く感じた作品でした。​
​ この映画の撮り方に、あきれる人は多いのだろうと思いますが、ぼくは、「群衆」シリーズ3本の映画の中で、もっとも深く揺さぶられた映画だったように感じました。まあ、人それぞれなのですが。​​
2016年・94分・ドイツ
原題「Austerlitz」
配給:サニーフィルム
2021・02・10・元町映画館no75
追記2022・11・18

​​​​ ​セルゲイ・ロズニツァ監督​「バビ・ヤール」​という、この「アウステルリッツ」と同じ手法で作られている、ドキュメンタリー作品を見ました。
 いわゆる、アーカイブ・フィルムを編集した作品ですから、編集者=監督の意図というか、思想があからさまに出て来そうですが、必要最小限の字幕以外何のコメントもない作り方で、見ている人間によって「歴史」化の作業、言い換えれば「物語」化の作業、あるいは、映像解釈の作業をしていくほかありません。昨今の「わかりやすさ」ブームを考えれば、これほどわかりにくい作品は少ないと思うのですが、歴史事象に対するステロタイプな理解が、目の前のフィルムによって揺さぶられていく体験は、そうそうできることではない体験でした。​​​​

 この監督は、やはり、すごいですね(笑)。​​​​​
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最終更新日  2023.12.19 21:26:37
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