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イェンス・ヨンソン「ソニア ナチスの女スパイ」シネマ神戸 あまり出会うことのないノルウェー映画でした。シネリーブルで去年(2020年)封切っていた記憶がありますが、見損ねていました。
イェンス・ヨンソン監督の「ソニア ナチスの女スパイ」という映画です。シネマ神戸で「スパイ映画」二本立てのプログラムで見ました。シネマ神戸に来るのは二度目ですが、館内に喫煙コーナーがあるのがうれしいですね。お客も、ぼくを含めて「おっさん」系ですが、バイオレンス、アクション系で、面白そうな映画をやっておられます。 映画の題になっているソニア・ビーゲットという女性は、1940年当時から戦後にかけてノルウェーでは、かなり有名な歌手で女優さんだったらしいのですが、戦後、ナチス協力を暴かれ、非難された方のようです。 この映画は、2005年に公表された彼女の「ナチス協力」の真相を描いた作品で、おそらく、原題である「Spionen」=「スパイ」という題名と、ソニアという登場人物の名前で、ノルウェーの人には「ピン!とくる」話なのでしょうね。 そのあたりが「ピン!とはこない」ぼくでも、ナチスに侵略されたノルウェーと、中立国という政策を、かろうじて、維持し続けたスウェーデンという、国と国の「つばぜり合い」のはざまに生きた女性を、イングリッド・ボルゾ・ベルダルという、まだ若い女優さんが、「歌手・女優」であり、「ジャズピアニストの恋人」であり、「対独パルチザンの父」の娘であるという「三つの顔」と、ノルウェーを侵略していたナチスと中立国スウェーデンの間で働く「二重スパイ」であるという、合計 五つの顔!を好演していました。 誰もかれもがスパイであるような不気味な社会を描いた映画の筋書きもさることながら、ノルウェーとスウェーデンという北欧の二つの国の、独特な外交の歴史にも関心を持ち直す映画でした。 映画はナチスの侵略にさらされていた当時のノルウェーを描いていますが、そのノルウェーが第二次世界大戦末期、連合国の一員として対日宣戦布告したことや、現在のEUには加盟していないことなんて、この映画を見て初めて知りました。(ああ、映画で、そんなことを解説しているわけではありませんよ。気になったからウィキを読んだ結果ですよ。) マア、当たり前のことですが、知らないことって、まだまだ、いくらでもあるんですよね。イヤ、ホント。 監督 イェンス・ヨンソン 脚本 ハーラル・ローセンローブ=エーグ ヤン・トリグベ・レイネランド 音楽 ラフ・クーネン キャスト イングリッド・ボルゾ・ベルダル(ソニア・ビーゲット) ロルフ・ラスゴード(トルステン・アクレル) アレクサンダー・シェアー(ヨーゼフ・テアボーフェン) ダミアン・シャペル(アンドル・ゲラート) 2019年・110分・G・ノルウェー 原題「Spionen」 2021・04・30-no42 シネマ神戸no3 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.12.20 10:49:19
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