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カテゴリ:映画 アメリカの監督
ジム・ジャームッシュ「ナイト・オン・ザ・プラネット」シネ・リーブル神戸 シネ・リーブルのジャームッシュ特集です。6本目に見たのが「ナイト・オン・ザ・プラネット」でした。もともとの題名は「Night on Earth」です。ボクはアースの方がいいかなと思いました。
今回の特集で、最後に見た映画ですが、結果的振り返ってみると「トリを取る」にふさわしい傑作でした。出てくる役者さんを知っているわけでもないし、とりわけ声高な主張があるわけでもありません。さしたる事件も起こらないし、ドキドキするサスペンスやラブストーリーがあるわけでもありません。 にもかかわらず、 「まあ、よくぞここまで、好みのド真ん中にボールが来るものだ!」 と感嘆しました。 ロサンゼルス、NY、パリ、ローマ、ヘルシンキの5つの都市を舞台に、タクシーの車内で展開される、運転手と客との巡り合いをオムニバス形式で描いています。地球という同じ星の同じ夜空のもと、それぞれ違ったストーリーが繰り広げられていくという構成です。ただ、それだけのことです。 突如、話は変わりますが、谷川俊太郎の詩に「朝のリレー」という、CMで有名になった作品があります。書きあぐねている感想の代わりに、ちょっと、この映画をあの詩でモジってみようと思います。まあ、笑っていただければ嬉しいのですが。 「夜のリレー」 こんなふうに遊ぶのはジャームッシュにも谷川俊太郎にも失礼かとは思うのですが、でも、まあ、二人の間につながるものを感じるのです。それは、うまくは言えませんが、人間という「宇宙人」に対する「愛」のようなものですね。 映画はジャームッシュの詩的な感性がのびのびと炸裂していて、世界を独特の感覚(やさしさ(?))でつつんで見せた傑作だと思いました。拍手! 監督 ジム・ジャームッシュ 製作 ジム・ジャームッシュ 製作総指揮 ジム・スターク 脚本 ジム・ジャームッシュ 撮影 フレデリック・エルムス 編集 ジェイ・ラビノウィッツ 音楽 トム・ウェイツ キャスト ロサンゼルス編 ウィノナ・ライダー(コ―キー運転手) ジーナ・ローランズ(ヴィクトリア・スネリング客) ニューヨーク編 ジャンカルロ・エスポジート(ヨー・ヨー客) アーミン・ミューラー=スタール(ヘルムート・グロッケンバーガー運転手) ロージー・ペレス(アンジェラ客の義妹) パリ編 イザック・ド・バンコレ(運転手) ベアトリス・ダル(盲目の女性) ローマ編 ロベルト・ベニーニ(ジーノ:運転手) パオロ・ボナチェリ(神父) ヘルシンキ編 マッティ・ペロンパー(ミカ) カリ・バーナネン(客) サカリ・クオスマネン(客) トミ・サルメラ(アキ) 1991年・128分・アメリカ・日本公開1992年 原題「Night on Earth」 シネ・リーブル神戸no112 追記2021・08・26 谷川俊太郎の「朝のリレー」はこんな詩です。 「朝のリレー」 もちろん、谷川俊太郎の詩の良さについては言うまでもありません。お叱りを受けるのを覚悟して「戯画」化しましたが、原詩の価値を貶める意図は毛頭ないことを言い添えておきます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.11.07 22:42:49
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