シルバン・ショメ「ベルヴィル・ランデブー」元町映画館 元町映画館のモギリ嬢のオススメで見ました。びっくりしました。なんなんですかこれは!
と、まあ、そういう印象で、最後まで飽きさせません。
なんというか、赤塚不二夫のキャラクターに「シェ―!」の「イヤミ」というおじさんがいましたが、あんな感じでした。
繰り広げられるシーンが超絶していて、悔しいことに、フィルムの随所に隠されているというか、おおっぴらに見せびらかされているにちがいないのですが、それがわからない。
「おフランス」方面に詳しい方や、「趣味のよろしい」方なら、手をたたいてお喜びになるであろう、「音楽」、「ダンス」、「セリフ」、「小道具」、「舞台」(だいたい、ベルヴィルってどこですか?)なのでしょうが、わからないのに。スゴイやん、これ!
それだけはわかる歯がゆさ!極東の田舎者を実感する悔しさ!わかっていただけるでしょうか。
まあ、ぼくのような「もの知らず」でも、フレッド・アステア、ド・ゴール、グレン・グールドぐらいには気がつけてうれしかったのですが、わかる人には宝の山のようなアニメだと思いました。
もっとも、話の筋立ては、そういう要素とは別に、実にうまくできていますし、シーンの作り方の工夫も、とても面白く楽しめるアニメーションで、必ずしも「大人向け」だとは思いませんでした。
キャラクターや風景、船や電車のデフォルメの仕方も、チョーが付く面白さですし、まあ、なんといっても冷蔵庫のベースに掃除機の管楽器、新聞紙のパーカッションで三つ子のバーさんが歌いだしたところに、主人公のオバーチャンが「何だ、これは?」のドラムス(?)で参加する演奏なんて、超絶シーンでした。 それにしても、まだまだいっぱい楽しい映画っていうのはあるんでしょうね。いやほんと!で、最後にもう一度叫びますね。
「で、ベルヴィルってどこやねんオバーチャン!」
「・・・・・」
「ええー、もう、この世にはおってやないんですか?これ、みんな、思い出のフィルム?」
というわけで、今回は、特にワンちゃんのブルーノに拍手!拍手!
監督 シルバン・ショメ
脚本 シルバン・ショメ
絵コンテ シルバン・ショメ
グラフィックデザイン シルバン・ショメ
音楽 ブノワ・シャレスト
キャスト(声)
ジャン=クロード・ドンダ(ナレーション)
ミシェル・ロバン(孫のシャンピオン)
モニカ・ビエガス(おばあちゃん)
2002年・80分・G・フランス・ベルギー・カナダ合作
原題「Les triplettes de Belleville」
配給:チャイルド・フィルム
日本初公開:2004年12月18日・元町映画館no86