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2021.09.22
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​​​​​​​​​​​​​​​​​​​エイリーク・スベンソン「ホロコーストの罪人」シネ・リーブル神戸

 1940年代ナチス・ドイツに降伏したノルウェーに暮らす、ノルウェー系ユダヤ人「ブラウデ家」の悲劇を描いたノルウェー映画でした。
 肉屋を営む父、裁縫で稼ぐ母、ボクシングに励む次男チャールズをはじめとする三男一女の4人姉弟の6人家族です。リトアニアからユダヤ人迫害を避けて亡命してきた貧しい一家ですが、チャールズ非ユダヤ系の女性ラグンヒルと結婚するという喜びもつかの間、父、母、兄、弟の4人がノルウェーの秘密警察の手によって、オスロからドナウ号というドイツ船に乗せられ、ポーランドに強制送還されアウシュビッツ収容所で殺さるという結末でした。
 いち早くスウェーデンに脱出した姉のヘレーナと、「アーリア人女性と結婚していた幸運」を理由にチャールズは生き残ります。
 この作品は、実話仕立てだということですが、おそらく、生き残ったこの姉弟の証言によって原作が書かれたのではないでしょうか。
 ナチスホロコーストを扱った作品は、毎年のように制作されているようです。ぼく自身65歳を機に映画館徘徊を始めてからの2年余りの期間でも、かなりの数の作品を見ていますが、それぞれの製作者の、半世紀を超える過去の事件に対する「こだわり」は、歴史の風化に抗う「知性」の在り方、多様な個性を感じさせる気がします。
 この作品でも、最も印象に残ったのは、ナチスに占領されて入るのですが、ノルウェーの秘密警察の副長官クヌート・ロッドと、その部下の女性事務職員や財産没収に出向いてくる管理人の描き方でした。
 彼らは血も涙もない、直接的な「暴力性」としてではなく、マニュアルに従いながら、表情のない声で応答し、今はやりの言葉で言えば「空気」に便乗した狡猾な「小役人・官僚」として描かれていて、実にリアルでした。
 占領軍や上役に対しては小心で実直な官吏でありまがら、目の前の「弱者」であるユダヤ人に対しては、根っこにあるのでしょうか、差別意識を解放されて、信じられないほどの、傲慢な「強者」としてふるまう姿を、丁寧に描いているところに、監督エイリーク・スベンソンの、ノルウェーという国の歴史的事実以上に、現代にも通じる人間社会そのものに対する批判的意図を強く感じました。
 もう一つ印象に残ったのは、アウシュビッツ収容所に到着した、老人と女性子供たちが「シャワーのため」という、有名な口実で履物や衣服を脱がされ、裸になってガス室に送り込まれるシーンが丁寧に描かれていることです。
 「他人事」として「歴史的事実」を忘れつつある、非ユダヤ系ノルウェー人のみならず、映画見る世界中の人間に対して「何があったのか」を突き付けてくるシーンで、気丈だったサラ・ブラウデ(妻)と実直だったベンゼル・ブラウデ(夫)の老夫婦が裸で手を取り合って立っている姿の痛ましさは、群衆シーンであったにもかかわらず記憶に残りそうです。 ここまで、書いてきましたが、この映画の主人公は息子たち、とくに、偶然生き残った次男チャールズというべきなのですが、彼と「アーリア人」の関係は「戦後、元に戻ることはなかった」と、暗転した画面にスーパーが出てくるだけでした。彼らの、それぞれが負った傷については想像するほかありませんが、ないがしろにはできないことだと思いました。
 しかし、それにしても、驚くべきはクヌート・ロッド秘密警察副長官は無実のまま戦後も公職にとどまり続けたと、続けてスーパーが流れたことでした。
 「なるほどそういうことか」と妙に納得しましたが、ノルウェーでは、この作品が描いた「国家の罪」について、なんと、2015年になって首相が謝罪したそうです。確かに、遅すぎる感はありますが、歴史を作り変えることに奔走するどこかの国の責任者とは違うようですね。
 この作品に対するノルウェーでの社会的評価は、そのあたりと連動したもののようで、実にまっとうな社会だと思いました。

監督 エイリーク・スベンソン
原作 マルテ・ミシュレ
脚本 ハラール・ローセンローブ=エーグ  ラーシュ・ギュドゥメスタッド
撮影 カール・エリク・ブロンドボ
編集 クリスチアン・シーベンヘルツ  エリセ・ソルベルグ
音楽 ヨハン・セーデルクビスト
キャスト
ヤーコブ・オフテブロ(チャールズ・ブラウデ:次男)
ピーヤ・ハルボルセン(サラ・ブラウデ:母)
ミカリス・コウトソグイアナキス(ベンゼル・ブラウデ:父)
クリスティン・クヤトゥ・ソープ(ラグンヒル:チャールズの妻)
シルエ・ストルスティン(ヘレーン・ブラウデ:姉)
ニコライ・クレーベ・ブロック(ベルグ収容所所長)
アンデルシュ・ダニエルセン・リー(クヌート・ロッド秘密警察)

2020年・126分・PG12・ノルウェー
原題:Den storste forbrytelsen
2021・09・21‐no86 シネ・リーブル神戸no119
追記2021・09・23
 本文中に「アーリア人」という記述をしていますが、「アーリア人」などという「人種」は、ナチスが作り上げた妄想だということは、現在では常識(?)だと思います。「日本人」という国民はいますが、人種はいないことと似ています。トニ・モリスン「他者化の起源」(集英社新書)を読んでいて気がかりになりました。お読みになった方が誤解されないように追記します。


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最終更新日  2024.07.18 20:18:15
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