週刊マンガ便 吉田秋生「増補ハナコ月記」(ちくま文庫)
秋になりました。夏の間に散らかして、身動きが取れなくなったので、机の周りを片づけていると出てきました。マンガです。なんで、ここにこのマンガがあるのか、経緯がよくわかりませんが、積んでいた本というか、しょっちゅう崩れては積み直していた山から出てきた出土品です。
吉田秋生さんのマンガはここではなく、別の部屋の棚にかたまっているはずなのですが、ここから出てきました。片づけなので、そのまま別の部屋にもっていけばいいのですが、その場に座って読みはじめてしまって、こうして「マンガ便」を書き始めてしまいました。もちろん部屋は片付いていません。
吉田秋生「増補ハナコ月記」(ちくま文庫)です。
前世紀の終わりごろの「ちくま文庫」はマンガのラインナップが、なかなか渋くてよく読みましたが、この文庫も1996年の発行で、ご覧の通り、表紙の汚れがその年月を感じさせます。中を覗くと、少々黄ばんでいる気もします。
こんな感じですね。
吉田秋生さんが、スージー吉田のペンネームで、マガジンハウスが1980年代の終わりに創刊して、かなり流行った「月刊Hanako」に連載していたマンガのようです。
見開き2ページ読み切りで、月刊だから「ハナコ月記」なんでしょうね。20代の後半と思しき、それぞれ仕事を持った「同棲」カップルの、アホな日常が描かれています。
イラストレイターのハナコさんとサラリーマンの一郎さんです。ほぼ、30年前のアラサーのカップルですから、現在、還暦越えの皆さんなわけで、お読みになると、どうお感じになるのかちょっと興味を感じますね。
ぼくには、今でも面白いのですが、ちょっと「古めかしさ」がないわけではありません。解説は糸井重里ですが、今思えば、やっぱり懐かしいというか、90年代ですねえという気がします。。ちなみに「月刊Hanako」は、今でもあるそうですが、やはり20代後半の女性をターゲットにしているのでしょうか。今度ちょっと、本屋さんの雑誌の棚を覗いてみようと思います。
吉田秋生さんが「バナナフィッシュ」を書き終えて、「夜叉」を連載していたころのお仕事のようです。まあ、それにしても、30年も昔のことです。にもかかわらず、この近さは何なんでしょう。不思議です。