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カテゴリ:演劇「ナショナルシアターライブ」でお昼寝
ナショナルシアター・ライブ「ウォー・ホース 戦火の馬」KAVC 先週に続けてのナショナルシアターライブ「WarHorse~戦火の馬」は数年前から、世界中で評判の舞台だそうです。
M・モーパーゴという方の原作で、「児童文学(?)」作品の舞台化だそうです。かなり意気込んでやってきたKAVCでしたが、期待を裏切らない舞台でした。 ナショナルシアターライブというプログラムは、実際の舞台の実写版の映画化で、まあ、ぼくのようなどこにも行く気のないくせに、お芝居とかが結構好きだったりする人間には絶好の企画なのですが、このお芝居は、幕が下りたときに、何とか、あのかぶりつきあたりでもう一度見たいと思ったのでした。 理由は明らかで、感動の主役が三人がかりで操っている「馬の人形」だからです。日本の古典芸能に人形浄瑠璃という、まあ、すごいものがありますが、あれと同じです。人形に命が宿り始めるのです。そりゃあ、やっぱり、すぐそばで見たいじゃないですか、とまあ、そんな気分でした。 貧しいアルバート少年の家に仔馬のジョーイがやってくる経緯を面白おかしく描く馬市のシーンから舞台は始まります。 舞台の上の人形のジョーイもまだ仔馬です。なんだか動きがぎこちないのが、少々心配です。 やがて少年アルバートの献身的な「仔馬育て」によって「ジョーイ」と名付けられた仔馬は「名馬」に育ってゆきます。ところが、その「ジョーイ」が、第1次世界大戦の戦場に軍馬として駆り出されてしまいます。 「ジョーイ」の身の上を案じる一心のアルバート少年は、年齢を偽り志願兵として出征し、戦場で馬を探します。 「馬」と少年アルバートとの出会いと別れ、そして奇跡的な再会の物語と言ってしまえば、まあそれだけのお話なのですが、舞台上では、馬が人形なのです。パペットというそうで、操り人形のことです。そこが芝居の面白さの肝だと思いました。スピルバーグが舞台に感動して映画にしたそうですが、おそらく舞台の感動とは違うと思いました。 このお芝居が始まった当初、見ているぼくはかなり冷静で、「ああ、この人形遣いたちが見えなくなったら、この芝居は成功なんだな」とか、余裕をかましていましたが、本当に見えなくなるのです(もちろん見えてますよ(笑))。 第一次大戦の戦場を舞台にしていますから、有名な塹壕を掘るシーンや、キャタピラのお化けのようなマーク1型戦車も登場します。まあ、そういう面白さもありますが、なんといってもパペットの馬が、生き物の「息」を始める舞台を、できればかぶりつきで見てみたいものです。お芝居と映画の違いについて、うまくいえるわけではありませんが、こういうところがやはり違うなと、つくづく思いました。きっと、生の舞台はもっとすごいに違いない、そう思いました。 映画の感想で言えば、もちろん、人形であることを忘れさせてくれたジョーイの演技と三人の馬使いに拍手!でした。 演出 マリアンヌ・エリオット、トム・モリス 原作 マイケル・モーパーゴ 脚色 ニック・スタフォード 主演 SIÔN DANIEL YOUNG 上映時間 約175分(休憩あり)イギリス 2021・10・18‐no96 KAVC お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021.10.28 00:05:45
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