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カテゴリ:映画 アメリカの監督
ジョン・シャインフェルド「チェイシング トレイン」シネ・リーブル神戸
「ジャズ史上最大のカリスマ」ジョン・コルトレーンの生誕95周年だそうで、彼の誕生から、死までを追ったドキュメンタリーでした。 「95周年って、記念するんですかね?」とか思いましたが、手際よくまとめられた「ジョン・コルトレーン小伝」という感じで、挿入される音楽がBGMふうに扱つかわれている感じが物足りませんでしたが、勉強になりました。 とは言いながら、一番驚いたことは、いかにもアホな話なのですが、コルトレーンは1967年に亡くなっていたということに初めて気づいたことでした。 モダン・ジャズなんて聞いたこともない田舎者が20歳で神戸にやってきて、ステレオの装置を手に入れ、最初に買ったLPレコードの1枚が「ジャイアント・ステップス」だったことをよく覚えています。ちなみに、もう一枚は、ボブ・ディランの二枚組、発売されたばかりの「偉大なる復活」でした。 ジャズとは喫茶店で出会いました。三宮の生田筋にあった「ピサ」とか、よく覚えていないのですが「さりげなく」とか「木馬」とかいうお店があったと思います。西宮の北口に「デュオ」という喫茶店もあって、ずっと後のことですが、村上春樹を読んでいて、この名前と出会って、 「おおー!」 と、一瞬、盛り上がりましたが、東京の新宿だかにある、同じ名前のお店の話で、 「なんだ、ちがうのか。」でした(笑)。 その当時、ジャズ喫茶というのは一人でウロウロするタイプの少年(?)には、なかなか居心地のいい場所だったのですね。 学校にフィットしないまま、名画座とジャズ喫茶を居場所にして暮らしていた記憶ですが、その頃 「コルトレーンがいいな!」って思っていたようです。 でも、その当時、彼が、すでにこの世の人ではないということには気付いていなかったことに、映画を見ながら気付いて愕然としました。 その後、映画にも出てきましたが、アリス・コルトレーンがピアノを弾いている、フリー・ジャズそのものというLPを、買ったか借りたかして聴いたときに、 「ああ、コルトレーンは死んだんだな。」 って思ったことは憶えていますが、それは、その頃の5年くらい後の記憶なのです。なんのことはない、その音楽に入れ込み始めた初めっからコルトレーンはこの世にいなかったんです。一体、何を考えて入れ込んでいたんでしょうね。まあ、そういうことを、次々と思い出させる映画でした。 一方で、年を取ったソニー・ロリンズとか、カルロス・サンタナが出てきて、いろいろ嬉しかったのですが、大統領だったビル・クリントンが出て来たときにはのけぞりそうになりました。 それでもやっぱり、映像のなかのジョン・コルトレーンには拍手!でした。こういうモノクロのポスターを天上に貼っった部屋に住んで、「マイ・フェイヴァリット・シングス」を、フリージャズめかして鼻歌で歌いながら、学校にも行かず、映画館に毎日通っていた日々があったことは、今や、自分だけの記憶ですね。 ホント、あの頃、何がしたかったんでしょう? まあ、今と、ちょっと似ているような気もしますが(笑)。 監督 ジョン・シャインフェルド 脚本 ジョン・シャインフェルド 撮影 スタン・テイラー 編集 ピーター・S・リンチ2世 音楽 ジョン・コルトレーン キャスト ジョン・コルトレーン ソニー・ロリンズ マッコイ・タイナー ウェイン・ショーター ベニー・ゴルソン ジミー・ヒース レジー・ワークマン ウィントン・マルサリス カマシ・ワシントン カルロス・サンタナ コモン ジョン・デンスモア ビル・クリントン 藤岡靖洋 デンゼル・ワシントン(ジョン・コルトレーンの声) 2016年・99分・G・アメリカ 原題「Chasing Trane」 The John Coltrane Documentary シネ・リーブル神戸no129 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.08.09 19:57:55
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