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ゴジラ老人シマクマ君の日々

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2021.12.30
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​​​​​​​​​​​週刊マンガ便 藤本タツキ「ルックバック」(小学館)​
 2021年12月、今年最後の「マンガ便」で届きました。藤本タツキさんの「ルックバック」(小学館)という読み切りマンガでした。
 小学校の教室に「マンガ」の上手な藤野さんという少女がいて、結構人気者です。学年新聞に4コマ漫画を描いています。その新聞に​京本さん​という、不登校の同級生が4コマ漫画を掲載しはじめます。
 そこから藤野さん京本さんの出会いと別れが描かれているマンガです。ネットに掲載されたマンガで、若い人たちのこころをつかんだのでしょう、アクセス数が桁外れで、単行本化されたようです。
 読み終えて、ぼくが気になったのは、マンガの本筋とたぶん、関係ないと思いますが、藤野さんの名前は歩さんですが、京本さんの名前は、最後まで分からないことでした。二人は共作の中学生マンガ家として「藤野キョウ」を名乗りますが、京本さんの名前はありません。なぜ、藤本タツキさん京本さんに名前を付けなかったのでしょう。
 もう一つ印象に残ったことは後ろ姿の絵です。作品名が「ルックバック」だから、この作品では繰り返し部屋で机に向かってマンガを書いている少女の後ろ姿が描かれていることが気にかかりました。
 窓の外の風景から、そのほとんどが藤野さんの後ろ姿だということがわかるのですが、102ページの姿だけは京本さんです。藤野さんの部屋は椅子付きの学習机で、京本さんの部屋は座り机なので、ぼくにも違いがわかります。
 で、表紙に書かれている後ろ姿は誰なのでしょう。椅子に座っている様子から藤野さんのようなのですが、パーカーの後ろ姿は京本さんに見えるのです。この後ろ姿が「藤尾キョウ」さんということでしょうか?
 年齢のせいなのかもしれませんが、この作品に、若い人たちがひきつけられる理由がよく分かっていません。お読みになればわかりますが、この作品の中で二人のマンガ少女にやってくるのは、かなり悲劇的な結末です。
 ただ、ぼくにとって困ったことは、その悲劇を描くことで藤本タツキさん「何を言いたいのか」ということが釈然としないことなのです。「やっぱり年のせいなのかな」と思わないでもないのですが、読み終えて表紙を見直すと、やはり、ちょっと胸を衝かれるわけで、なんだかもやもやするのが困ったものです。

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最終更新日  2021.12.30 00:17:59
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