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カテゴリ:映画 フランスの監督
ルネ・クレール「巴里祭」シネ・リーブル神戸
2021年の11月にシネ・リーブル神戸で上映された「ルネ・クレール・レトロスペクティブ」の企画で見た作品です。 シネ・リーブル神戸では入場者に一作ごとの絵ハガキを配っていらっしゃって、この絵ハガキを全部いただきたい一心で、全部見ました。 こんなことを言うと「アホか!」といわれそうですが、案外、本音です。なんでもいいから、出かけていくための「起動力」が必要なのです(笑)。 この日に見た映画は原題は「7月14日」というシンプルさですが、日本公開用につけられたのが「巴里祭」だそうです。フランス革命のバスティーユ監獄襲撃記念日、革命記念日だったと思いますが、そりゃあ「巴里祭」の方がお客は入るでしょうね。 映画はタクシー運転手のジャン(ジョルジュ・リゴー)と花売り娘のアンナ(アナベラ)の恋のお話でした。それぞれ、お二人ともに1930年代の顔という印象です。ぶっちゃけ、ラブ・ストーリーというより人情コメディというほうがぴったりな気がしましたが、パリの屋根の下で暮らす庶民の姿が、「ああ、フランス!」という感じの「音楽」と「ユーモア」で描かれていました。 映像のせいもあって古めかしくはあるのですが、そんなに古びているとは思いませんでした。まあ、古びていてもいいのですが、「この監督の人間の描き方はいいなあ」と素直に思いました。 シリーズを見終えて、もう、100年になろうかという映画の始まりから、いろんな作品が撮られてきて、今があるわけですが、「この監督が撮っているように撮ったらいいじゃないか」という気分と、「なんでこんなふうに撮れなくなったのだろうか」という疑問が湧いてきました。 現代という時代の目で、こういう作品を見ると、やはり、ある種の退屈さを感じるわけです。変な例ですが、その退屈さは江戸川乱歩とか芥川龍之介を読み返していて感じるものと、ちょっと似ているのかもしれません。じゃあ、今の方がいいのかというと、そうでもないわけで、どう考えればいいのでしょうね。とかなんとかいいながら、新しい作品に飛びついては、まあ、感心したりシラケたりするのでしょうね。 それにしても90年の時間を見事に飛び越えて見せてくれたルネ・クレールに拍手!でした。 監督 ルネ・クレール 製作 ロジャー・ル・ボン 脚本 ルネ・クレール 撮影 ジョルジュ・ペリナール 美術 ラザール・メールソン 衣装 ルネ・ユべール 編集 ルネ・ル・エナフ 音楽 モーリス・ジョーベール キャスト アナベラ(アンナ:町の娘) ジョルジュ・リゴー(ジャン:タクシ―運転手) レイモン・コルディ(レーモン) ポール・オリビエ(イマック氏) レイモン・エイムス(シャルル) トミー・ブールデル(フェルナン) ポーラ・イレリー(ポーラ) 1932年・86分・フランス 原題「Quatorze Juillet(「7月14日」)」 日本初公開1933年 2021・11・14‐no110シネ・リーブル神戸no131 追記 ルネ・クレール(1898年11月11日 - 1981年3月15日) フィルモグラフィー 無声映画 1924年「幕間 Entr'acte 」・「 眠るパリ Paris qui dort」(未公開) 1925年「ムーラン・ルージュの幽霊 Le fantôme du Moulin-Rouge」(未公開) 1926年「空想の旅 Le voyage imaginaire」(未公開) 1927年「風の餌食 La proie du vent 」(未公開) 1928年「イタリア麦の帽子 Un chapeau de paille d'Italie」「 塔 La tour」(未公開)「気弱な二人 Les deux timides 」(未公開) 発声映画 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.01.04 22:42:05
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