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サオダート・イスマイロワ「40日間の沈黙」・「彼女の権利」元町映画館 中央アジア今昔映画祭という企画にまじめに通って9作品全部見ました。これが最後の2本です。サオダート・イスマイロフという、ウズベキスタンという国の女性の監督の作品らしいのですが、チラシによればウズベキスタンで人生の節目に行われる儀式、
40日間の沈黙の誓いを通して描かれる、伝統と今、幻想と現実が交錯する世界を描いたという作品でした。見たのは「40日間の沈黙」・「彼女の権利」です。 「で、主人公はどうなったの?」 見終えて最初にそう思いました。 まあ、今回のどの作品にも共通したことではあるのですが、見ていて、世界のどのあたりの国のどんな場所なのか見当がつきません。画面からわかることは、山奥の孤立した村のようだということだけです。風景がすごいのです。主人公はビビチャという女性です。彼女は「沈黙の誓い」を立てて、それを実行するため祖母の家にいますが、その家には叔母とその叔母の幼い娘、なんだか女性ばかりが一つ屋根の下にいます。 言葉を禁止するという、独特な習俗を描くというシチュエーションだからでしょうが、内面の描写のカットバックが多用されている印象で、ぼくには何が起こっているのか、とうとうわかりませんでした。ここに住み、暮らしてきた女性の過去と現在と、なんだかよくわからない未来が暗示されているのかなあといぶかしんでいるうちに映画は終わりました。 で、 「彼女はどうなるの?」というわけですが、寝込んでしまったわけでもないのに話の筋をなぞりなおすことができない鑑賞体験は初めてでした。もう一本の「彼女の権利」は、ほとんどインスタレーション・フィルムの趣で、そちらも、ただぼんやり眺めていただけで、ほぼ、ギブ・アップでした。 ただ、映像に映し出されていることは、おそらく「社会と女性」という視点の表現なのだろうな、監督はかなりしっかりしたフェミニズム思想の表現をたくらんでいるのだろうなという印象は浮かぶのですが、コンテキストがまとまらないのです。多分、ぼくの見方に原因の一つはあるのでしょうが、結構面白がって見てきた中央アジア映画だったのですが、最後の最後がこれだったのでへこみました。まあしようがないですね(笑)。 監督 サオダート・イスマイロワ 脚本 サオダート・イスマイロワ ウルグベク・サディコフ キャスト ルシャナ・サディコワ バロハド・シャクロワ サオダート・ラフミノワ 2014年・88分・ウズベキスタン・オランダ・ドイツ・フランス合作 「彼女の権利」・元町映画館 監督 サオダート・イスマイロワ 2020年・15分・ウズベキスタン 2021・12・07‐no127・no128元町映画館(no108) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.09.10 22:21:03
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