|
カテゴリ:映画 フランスの監督
ヤン・ゴズラン「ブラックボックス 音声分析捜査」シネ・リーブル神戸 コロナ騒ぎでとんでもない数字がネット上に踊っています。とはいいながら、家でじっとしているのはやはり耐えられなくて久しぶりにやって来たシネ・リーブル神戸でした。見たのはフランスのミステリーで、ヤン・ゴズランという監督の「ブラックボックス音声分析捜査」です。
飛行機が墜落した後、飛行データや操縦室のやり取りを録音した、昔でいえば録音テープのことを「ブラックボックス」というのだそうです。その「音」の分析をする分析官が主人公マチュー・ヴァスール(ピエール・ニネ)で、最新型のジェット旅客機の墜落事故の真相を雑音の中から見つけ出すというストーリーでした。 なかなか、面白かったのですが、なんと、一番大事なところを聴き落してしまったようで、映画が結末を迎えたにもかかわらず 「えっ?マチューはどうなったの?」 とトイレを我慢しながらエンド・ロールを呆然と眺めている始末で、帰宅するや否や叫んでしまいました。 「アンナ、主人公がどうなったかわからんかってん!」 悔しながら、 監督の意図的な策略 に引っ掛かったようです。というか、映画というのは目を開けて見ていればわかると思っていたらしくじるように作られていたようです。 この映画は、ずっと雑音の中から真相を聞き出す、ちょっと尋常ではない耳の持ち主の主人公の姿を追い続けている作品で、見ているこちらも、主人公と一緒に、くりかえしノイズを聴き続けながら主因行に同化していくパターンで見ているこっちを引き込んでいきます。とはいうものの、雑音ばっかり聴いていると、いい加減飽きてしまうわけです。ところが最後の最後に、こっちが聞き耳を立てていないとわからなくなってしまうトリックだったのですね。 でもまあ、仕方がないですね。悔しながらよくできていました。監督ヤン・ゴズランと狂気と見まごう孤独な分析官マチューを、まさに迫真の演技で演じたピエール・ニネに拍手!でした。 これからご覧になる皆様に老爺心から申し上げます。この作品は「見る」ことはもちろんですが、耳を澄ませて「聴く」映画ですよ! 「真実を聴き逃すな!」 チラシの裏面にちゃんと書いてありました。これって客向けの命令だったのです。トホホ(笑) 監督 ヤン・ゴズラン 脚本 ヤン・ゴズラン シモン・ムタイルー ニコラ・ブーベ=ルブラー 撮影 ピエール・コットロー 美術 ミシェル・バルテレミ 編集 バランタン・フェロン 音楽 フィリップ・ロンビ キャスト ピエール・ニネ(マチュー・ヴァスール:音声分析官) ルー・ドゥ・ラージュ(ノエミ・ヴァスール:妻) アンドレ・デュソリエ(フィリップ・レニエ:) 2021年・129分・G・フランス 原題「Boite noire」 2022・02・02-no13・シネ・リーブル神戸no133 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.08.10 12:26:36
コメント(0) | コメントを書く
[映画 フランスの監督] カテゴリの最新記事
|