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アピチャッポン・ウィーラセタクン「メモリア」シネ・リーブル神戸
予告編の、妙に抽象的な映像と、男性なのか女性名なのかよく分からない背の高い登場人物が気になって、どうしようかと悩んだ末に、最終日ということにうながされてやってきました。 見たのはアピチャッポン・ウィーラセタクンという監督の「メモリア」という作品です。監督はタイの人らしいですが、映画の舞台は南米のコロンビアだそうです。背の高い人はティルダ・スウィントンという女優さんでした。 暗い部屋に誰かいるようで、大きな物音がして、ベッドにいたらしい人が動き始めますが、その部屋でなにが起きているのか意味不明でした。 部屋にいたのはジェシカ(ティルダ・スウィントン)という女性で、その時に彼女が聞いた「音」について調べ始めます。まあ、そういう展開の映画でしたが、その音が、どうも、彼女にだけ聴こえていることが徐々にわかり始めたあたりから、ただ、ただ、ぼんやり見続けた作品でした。 考古学者アニエス(ジャンヌ・バリバール)が解説する発掘された古代の頭蓋骨のシーンとか、実在したのかしなかったのかぼくにはよくわからなかった音響技師(フアン・パブロ・ウレゴ)による音の再現シーンとか、ジェシカが錯綜する光を映し出している壁の前で立ち止まるシーンとか、ボンヤリとながら印象に残ったシーンもあるのですが、それらが何をあらわしているのかが浮かんでこないのですからしようがありません。 とどのつまりは、ジェシカが想起する記憶、あるいは脳内の意識が、個を越えて、時間を越えて、宇宙的な広がりの中の断片であるかのようなシーンになるのですが、ぼくの中で、動くものはありませんでした。 脳内で、その人独自の「音」を聴くということは、現実にあることのようですが、その現象に対して、ある種の共有感、リアル感が、全く湧いてこなかったぼくのような人間には、この映画は、単に意味不明としか言いようがないのでしょうね。チラシには「圧倒的」な「音」というキャッチ・コピーの文句がありますが、シマクマ君には、なにが、どう、「圧倒的」だったのかがよく分かりませんでした。 異様に眠い映画でしたが、眠り込むこともなく見続けました。で、最後に宇宙船のようなものが飛び去ったシーンには、マジ、のけぞってしまいました。 「どうしてこうなるのだ!?」 入場に際していただいたはがきです。困ったことに、この写真を見直しても、シマクマ君の頭の中に浮かんでくるのは「ボンヤリ」と意味をなさない困惑です。 いやはや、何とも言えない映画体験でした。寝こんでてしまわずに最後まで見たシマクマ君に拍手!でした(笑)。 監督・脚本 アピチャッポン・ウィーラセタクン 撮影 サヨムプー・ムックディープロム キャスト ティルダ・スウィントン(ジェシカ 頭の中で音がする人) エルキン・ディアス(記憶を所有する謎の男) ジャンヌ・バリバール(考古学者アニエス) フアン・パブロ・ウレゴ(謎の音響技師) 2021年・136分・G・コロンビア・タイ・イギリス・メキシコ・フランス・ドイツ・カタール合作 原題「Memoria」 2022・03・17-no36・シネリーブル神戸no144 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.09.01 20:22:18
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