谷川俊太郎 作・松本大洋 絵「かないくん」(ほぼにちの絵本) 谷川俊太郎の「詩」的な散文があって、松本大洋の静かな絵があります。ちょっとページをめくって中をお見せしたい誘惑にかられるのですが、やめておきます(笑)。
この絵本には、まあ、販売促進のための腰巻がついていて、そこにもちょっと内容にふれる言葉が大きな字で書いてあります。それも表紙の写真を撮るときに外しました。でも、まあこれはいいでしょう。
谷川俊太郎が、一夜で綴り、松本大洋が、二年かけて描いた。
「かないくん」という題の絵本ですが、この表紙の少年が誰で、彼が見つめているのはなになのか。それは、それぞれの方が、この絵本を開いて、自分なりに確認していただくのが一番いいんじゃないでしょうか。 ところで、この写真は、この絵本についていた「副読本」の表紙です。絵本の表紙の少年と、同じ人物の正面からのポートレイトのようですが、ぼくは絵本の表紙の方の顔が好きです。
「副読本」なんていうやりかたが、いかにも糸井重里らしいというか、ちょっと小癪な気もするのですが、その中に、この絵本について、糸井重里、谷川俊太郎、松本大洋の「あとがき」のような文章が載っています。
入り口
〈死んだら死んだで生きてゆくさ〉というの、私の好きな草野心平さんの詩の一節ですが、私はいつの間にか、死を新たな世界への入り口というふうに考えるようになっています。
これは谷川俊太郎の「あとがき(?)」の最後の一節です。
それから、こっちが、松本大洋のイラストと「あとがき(?)」です。
このページの文字のところを写すとこう書いてあります。
〈死〉のことをかんがえると
すこし寂しい気持ちになる
でもときどきは〈死〉のことを
考えておきたいとも思う
谷川さんの文章はとてもやさしく
絵を描いていて 嬉しかったです。
松本大洋
絵本について思うことは、ただ一つ。「松本大洋の絵がすばらしい」ということです。ぼくは2014年に出版されたこの絵本で、初めて、松本大洋という漫画家の名前を知りましたが、最近「ルーヴルの猫」というマンガで再会しました。
で、大慌てで、この絵本の案内をしているというわけです。「ルーヴルの猫」の案内ものぞいてくださいね。今回は、絵本の話なのに、いかにも大人向けですが、あしからず(笑)ということで。じゃあ、また。
追記2023・02・17
松本大洋さんのお仕事を、ゴソゴソ探していて、思い出しました。で、ちょっと修繕しました。