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カテゴリ:映画 アメリカの監督
マイク・ミルズ「C'mon C'monカモン カモン」109シネマズ・ハット 関西ではゴールデン・ウィークの目玉という感じで、4月の末の封切りでした。ネットで予約席を覗いてみると、いつも余裕のシネ・リーヴルが連日いっぱいでした。で、109シネマズハットを覗いてみると、これがなんと余裕しゃくしゃくで、ここならノンビリできそうです。
というわけで、5月4日、連休のど真ん中に出かけました。チッチキ夫人と同伴映画です。見たのはマイク・ミルズ監督の「C'mon C'mon」です。昨年だったか、「ジョーカー」で圧倒されたホアキン・フェニクスという俳優さんが、今度はなにをするのか興味津々でした。見たのはマイク・ミルズ監督の「C'mon C'monカモン カモン」でした。 ホアキン・フェニクスが演じるジョニーというジャーナリストが、ラジオ番組のためにインタビューしている場面から映画は始まりました。相手は子供たちでした。 子供たちが住んでいる町として映画に出てくるのデトロイト、オークランド、ニューヨーク、ニューオリンズ、そしてロサンジェルスです。ジョニーが訪ねるそれぞれの都市で暮らす子供たちが、住んでいる町の未来のことや、日々の暮らし、自分自身の夢とかについて、ジョニーの、あるいは、ホアキン・フェニクスのインタビューに答えるドキュメンタリーなシーンが、ジョニーと、甥っ子のジェシーのモノクロのドラマのシーンの、前後と合間に、繰り返し映し出され、結局、インタビューに答える子供たちの声が聞こえ続ける中で、映画は終わりました。 君の話を聞かせて! 子供たちへの、いつもの言葉で話かけるジョニーに なぜ一人でいるの?と問い返すジェシーの深い眼差しに震えました。 「問う人」は「問われている」し、 「見る人」は「見られている」のです。 ケータイで話し続ける伯父さんのジョニー。児童心理学のマニュアル・ブックの視点に固執する母親のヴィヴ。「見られる人」のポジションに耐えられない父親のポール。それをじっと見つめているジェシー。 「子ども」、あるいは「他者」と出会い、「問う」ことを仕事にしながら、「問われること」、「見られること」を見失っているジョニーの「問い」に「ペラペラ」と応えるジェシーの「ことば」の静かな迫力が印象的でした。 ジョニーがジェシーの「ペラペラ」に、「ペラペラ」と笑顔で相槌を打つことが出来た瞬間、ジェシーの笑顔が応えます。 このシーンで映画は「深さ」を獲得したのではないでしょうか。「見る」、「見られる」という存在の弁証法が、「同情(sympathy)」ではなく、「共感(Empathy)」によって止揚され、次の瞬間「C'mon C'mon」が響き渡ります。 ホラ、ホラ、ここに、きみとぼくがいるよ! 優しく問いかけたはずのなのに、困惑の眼差しで見つめ返された教室の風景が浮かんできます。ぼくは、あの時なにを尋ねたのでしょう。 スクリーンのジェッシーを見ているぼくの眼差しは、結局、「ペラペラ」かもしれないと、一瞬、ヒヤリとさせられた作品でした。 まあ、それにしてもジェッシーを演じたウッディ・ノーマンという少年に拍手!でした。ホアキン・フェニックスもいい味でしたね。やっぱり拍手!です。 監督 マイク・ミルズ 脚本 マイク・ミルズ 撮影 ロビー・ライアン 美術 ケイティ・バイロン 衣装 カティナ・ダナバシス 編集 ジェニファー・ベッキアレッロ 音楽 ブライス・デスナー アーロン・デスナー キャスト ホアキン・フェニックス(ジョニー・おじさん) ウッディ・ノーマン(ジェシー・少年) ギャビー・ホフマン(ヴィヴ・ジェシーの母・ジョニーの妹) スクート・マクネイリー(ポール・ジェシーの父) 2021年製作・108分・G・アメリカ 原題「C'mon C'mon」 2022・05・04-no65・109シネマズ・ハットno11 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.12.14 23:46:27
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