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カテゴリ:映画 フランスの監督
ブリュノ・デュモン「ジャネット ― l'enfance de Jeanne d'Arc」元町映画館
予告編を見て「なんだこれは?」という感じで見に来ました。連休明けの元町映画館です。ソフィア・ローレンの「ひまわり」が行列だそうで、実にめでたいのですが、こっちは閑古鳥でした。ブリュノ・デュモンという監督はもちろん知りません。で、映画が「ジャネット」、「ジャンヌ」の二部構成になっていることもよく知らないままやってきました。この日に見たのは第1部「ジャネット」でした。 チラシには、ちょっと怖い顔で映っていますが、実にあどけない羊飼いの少女ジャネット(リーズ・ルプラ・プリュドム)が牧場の空地で歌を歌います。シャルル・ペギーという人の詩劇の詩らしいのですが、要するに「信仰」のことばです。信仰心のないシマクマ君は「ふーん…」という気分で聴いています。少女は高揚してくると歌いながら踊り始めて、頭を激しく前後させたり、側転したり、飛び跳ねたりします。 友だちの少女や、叔父さんも登場します。修道女の二人組や、浮浪児の少年の兄弟の二人組も登場します。「おなかが空いた。」といってヨチヨチ歩く弟の姿なんて最高です。修道女の双子のような二人組も踊ったり歌ったりしますが、なんというか、筋立てのうまく運ばない小学校の学芸会に、中学生か、高校生のお姉さんがやってきて踊っている感じです。振り付けはシンプルで、踊るときの音楽はロック調で、まあ同じ所作の繰り返しです。 オルレアンの少女、あのジャンヌ・ダルクが、まだ羊飼いの少女だったころの物語なのです。だから、神様のお告げを聴くシーンもあります。林の中でジャネットが三人の神様に出会うのですが、なんだか、神様も出会いの場面もシュールでポカンとしてしまいました。 途中で、少女だったジャネットは少しおねーさんに成長して、役者も変わります。神のお告げを聞いたからでしょうか、ジャンヌと呼ばれるようになって、いよいよ、出陣!というところで終わりました。 音楽も踊りも、一風変わっていますがいやな感じではありません。ただ、テンポも展開も、勝手に見てくださいという印象で、見ている方はポカンとしていたら終わったという感じです。これが第1部だそうです。「第2部はどうするのか?」って?もちろん見に行きますよ(笑)なんだかんだ言ってますが、わからないままに、ちょっと誘惑的なのです。 子供の頃のジャネットだったリーズ・ルプラ・プリュドムのたたずまいがとても良かったことは間違いありません、拍手!です。 この映画は、登場人物たちが、おそらくシロウトというか、俳優ではないようです。物語の筋立ては、編集によって、何とか成り立っていますが、映像は一つ一つのシーンが、それぞれ勝手に生き生きしている印象です。不思議な映画でした(笑)。 監督 ブリュノ・デュモン 原作 シャルル・ペギー 脚本 ブリュノ・デュモン 撮影 ギョーム・デフォンテーヌ 編集 ブリュノ・デュモン バジル・ベルヒリ 音楽 Igorrr 振付 フィリップ・ドゥクフレ キャスト リーズ・ルプラ・プリュドム ジャンヌ・ボワザン リュシル・グーティエ 2017年・106分・フランス 原題「Jeannette, l'enfance de Jeanne d'Arc」 2022・05・16-no68・元町映画館no124 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.11.10 22:47:57
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