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アキ・カウリスマキ「街のあかり」パルシネマ パルシネマ二本立ての二本目です。ここのところパルシネマはこの監督を特集しているらしいですね。フィンランドの監督でアキ・カウリスマキという人です。見た作品は「街のあかり」でした。
主人公はコイスティネン(ヤンネ・フーティアイネン)という警備員の青年でした。見たところ、ちょっと陰のある男前で 「なんで、この男が?」 という印象なのですが、職場でも仕事の帰りに立ち寄るバーでも、ことあるごとに、からかわれ、いじめられるという設定のようで、1時間とちょっとの映画の間中、ずっといじめられていました。 見ていて、いじめる側も、いじめられる側も、それを映画で撮っている監督も、まあ、フィンランドの人はしつこいというか、辛抱がいいというか、あきれるばかりの執拗さで、最後の最後のワンシーン以外、何の「あかり」も感じさせない映画でしたが、記憶には残りそうです。 帰ってきて、ネットをいじっていると「フィンランド3部作」とか呼ばれている有名なシリーズの最後の作品だったことがわかりましたが、そのシリーズの別名が「敗者3部作」とか「負け犬3部作」とか呼ばれているようで、 「ナルホドそうだったのか!」 と納得しました。 「負け犬」といういい方で思い出しましたが、この映画の中に主人公が立ち寄るバーの前の路上に、繋がれたまま放置されている犬が登場します。主人公は飼い主らしい男たちに、その処遇を注意して、やっぱり、殴られてしまうのですが、パユというその犬と、犬のことを心配している黒人の少年(ヨーナス・タポラ)の街灯の下のシーンには、少し「街のあかり」がさしていたようです。こうして書いていても、ボンヤリそのシーンが浮かんできます。そのあたりが、この監督の実力なのでしょうね。 ぼくは知らない人でしたが、なかなかな作品の作り手らしいです。でも、まあ、「続けて見たい!」とは思わない、なんだか寂しい映画でもあったわけで、せっかくの特集ですが、パスすることになりそうです(笑) 犬と少年と、手を差し伸べたシーセージ売りのアイラおねーさん(マリア・ヘイスカネン)に拍手!でした。 監督 アキ・カウリスマキ 製作 アキ・カウリスマキ 脚本 アキ・カウリスマキ 撮影 ティモ・サルミネン 音楽 メルローズ キャスト ヤンネ・フーティアイネン(コイスティネン:警備員の青年) マリア・ヤルベンヘルミ(ミルヤ:リンドストロンの情婦) イルッカ・コイヴラ(リンドストロン:詐欺師) マリア・ヘイスカネン(アイラ:ソーセージ売り) ヨーナス・タポラ(少年) 犬:パユ 2006年・78分・フィンランド 原題「Laitakaupungin valot」 2022・11・12-no127・パルシネマno44 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.03.07 23:23:50
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