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カテゴリ:映画 アメリカの監督
デビッド・O・ラッセル「アムステルダム」109ハット
「アカデミー賞とかで評判になりそうな映画なのかな???」 まあ、そんな思惑で見に行きました。というわけで、混雑を避けた109ハットでデビッド・O・ラッセル監督の「アムステルダム」です。豪華キャストの勢ぞろい作品らしいのですが、観客は3人でした。いつもながらいい映画館です(笑)。 豪華キャストと、わかったように云ってますが、監督も俳優もほとんど知らない人で、ギル・ディレンベック将軍を演じているロバート・デ・ニーロだけが知っている俳優でしたが、彼がなかなかいい役をやっていて拍手!でした。 映画が始まってしばらくは、見ていて、いつ頃の話なのか判然としなくて焦りましたが、やがて、義眼の医師バート・ベレンゼン(クリスチャン・ベール)と相棒の黒人弁護士ハロルド・ウッドマン(ジョン・デビッド・ワシントン)という、主役と思しき二人の「出会い」の回想シーンへと展開していって、第1次世界大戦の戦場から大戦直後のヨーロッパが映し出され、今、現在は、1930年代のアメリカ、ニューヨークという大都市が舞台だということがわかってきて落ち着きました。 1930年代、世界中が流動化していた時代ですが、世界恐慌下のアメリカで、反ユダヤ主義があからさまに横行し、黒人や女性に対する差別主義者でもあった産業資本家たちや、それと結託した新しいメディア(ラジオ・新聞)の社主たちが、悲惨を強いられている復員軍人の不満を利用して、ファシズム、親ナチスの陰謀を巡らせていたというのが、チラシとかで繰り返されている、驚くべき「史実」ということなのでしょうが、トランプ的なアメリカの、この映画から100年後の現実に対する批評的な制作意図なのでしょうかね。そこのところは、ぼくには、あんまりインパクトがなかったような気がします。 印象に残ったのは、前記のバート・ベレンゼンとハロルド・ウッドマンの二人と戦地の病院で知り合い、三人組で活躍したヴァレリー・ヴォーズでした。大富豪の娘でありながら、従軍看護婦にして、エキセントリックな前衛彫刻家ヴァレリー・ヴォーズを演じていたマーゴット・ロビーという女優さんは記憶に残りました。 ちょっと見にはエジプトあたりの女王とでもいう印象なのですが、表情に「力」があるとでもいえばいいのでしょうか、それぞれの場面、場面で劇的に変化するのです。キスシーンとか、いい年の爺さんに思わずため息をつかせる出来栄えで、マア、撮り方にも工夫があるのでしょうが、素晴らしいですね(笑)。 大きな歴史的背景もさることながらトリック・スターとしての三人組のエピソードで展開したところが、この作品の肝だと思いました。 しかし、それにしても、なぜ、題名が「アムステルダム」なのでしょうね。20世紀の初頭、やがて、世界的な大都市に成長していくニューヨークは、解放された南部の黒人たちが「自由」を求めて大移動した街だったことをどこかで読んだことがあります。もともとオランダ人の入植地だったニューヨークの、最初の名前はニュー・アムステルダムでもあったわけで、世界的な自由都市アムステルダムのアメリカ版だったわけです。 で、映画はラストで、一人は新しい愛の予感のニューヨークに残り、二人は愛の始まりの地アムステルダムへ去るわけで、マア、そのあたりが意味深なのですが、よくわかりませんね。 とにもかくにもマーゴット・ロビーに拍手!です。ああ、それから、上でも触れましたが、お久しぶりのロバート・デ・ニーロです。彼も年を取りましたね。なかなかお得な役柄で、余裕の演技という印象でしたが、もちろん、もう一度、拍手!です(笑)。 監督 デビッド・O・ラッセル 脚本 デビッド・O・ラッセル 撮影 エマニュエル・ルベツキ 美術 ジュディ・ベッカー 衣装 アルバート・ウォルスキー J・R・ホウベイカー 編集 ジェイ・キャシディ 音楽 ダニエル・ペンバートン キャスト クリスチャン・ベール(バート・ベレンゼン) マーゴット・ロビー(ヴァレリー・ヴォーズ) ジョン・デビッド・ワシントン(ハロルド・ウッドマン) クリス・ロック(ミルトン) アニヤ・テイラー=ジョイ(リビー・ヴォーズ:トムの妻) ラミ・マレック(トム・ヴォーズ:ヴァレリーの兄) ゾーイ・サルダナ(イルマ) マイク・マイヤーズ(ポール) マイケル・シャノン(ヘンリー) アンドレア・ライズボロー(ベアトリス) テイラー・スウィフト(リズ:ミーキンズ将軍の娘) マティアス・スーナールツ(ゲトワイラー刑事) アレッサンドロ・ニボラ(ヒルツ刑事) ロバート・デ・ニーロ(ギル・ディレンベック将軍) 2022年・134分・G・アメリカ 原題「Amsterdam」 2022・11・08-no125・109ハットno17 追記 ところで、このブログをご覧いただいた皆様で楽天IDをお持ちの方は、まあ、なくても大丈夫かもですが、ページの一番下の、多分、楽天のイイネボタンを押してみてくださいね。ポイントがたまるんだそうです(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.03.28 21:28:31
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