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カテゴリ:読書案内「くいしんぼう」
檀晴子「檀流スローライフ・クッキング」(集英社) 檀晴子さんは、檀一雄の長男、太郎さんの配偶者です。すでにたくさんの「お料理本」を出しておられる、お料理の人ですが、この本が多分、最新刊だと思います。2022年の6月の新刊です。
当然のことながら、わが家ではチッチキ夫人の寝床の枕もとでゴロゴロしていらっしゃるお気に入りご本たちの中の1冊でした。 前書きの「島に行く」に著者の自己紹介が、こんなふうに書かれています。 島に行く で、反対運動とか、ご近所との付き合いとか、田舎暮らしに対する不安とか、どうするかを決めるまでの紆余曲折、あれかこれかの逡巡、そりゃあそうでしょう、東京生まれの、東京育ちの方が、還暦過ぎてお引越しですからね。 で、そのあたりの書き方中に、檀晴子さんという人がいいなと思わせる何かがあるのですね。だって、お料理の本を、まあ、そっち方面とは、あんまり縁があるとは言えないシマクマ君がおすすめする理由は、実は、そっちのほうなのですが、そこは、まあ、手に取っていただくほかはないわけで、結局、お引越しが決まってしまって、やって来たのが能古島というわけです。 結局ここかと行き着いたのが博多湾に浮かぶ能古島です。舅・檀一雄が晩年暮らしたところで、舅が住んだ家が、崩れかけながら残っていました。 そうですね、檀流のご本家、あの檀一雄の、あの博多の家です。普通の家なら「そうそう、あそこにおとうさんの別荘があったじゃない。」くらいの話なのでしょうが、なんといっても「火宅の人」のご一家なわけですからね、どうしても「そういうもんか!?」が浮かんでしまうのですが、そこから、犬だけじゃなくて人間もお好きな檀晴子さんの「スロー・ライフ」が始まったというわけでした。 で、ここから始まるお料理の話も、なるほど「檀流クッキング」だなと実感させていただけるわけでした。ぼくなんかが、料理の本文章について、あれこれ言うのは気が引けますが、それぞれのレシピの前振りというか、枕がいいんです。 りんごのジュレ いかがですか、レシピがこんなふうに始まるのです。お読みになって納得されると思いますが、料理をするとかしないとかとかかわりなく、しみじみと伝わってくるもの檀晴子さんの文章にはありますね。まあ、年齢がなせる業という面もあるのかもしれませんが、言うまでもなく文章には文句ありません。読ませますね。お料理の本というのは、なんとなく楽しいもので、時々手にすることはありますが、この本は格別です。チッチキ夫人が枕元に置いて楽しんでいる理由が、なんとなくわかりますね。我が家でも、紅玉を探してジャムにするのが、毎年の、この季節の定番ですが、このレシピを読んで、してやったりと思ったかもしれませんね。今度はジュレとかいいそうで、ちょっと楽しみですね(笑)。 いやはや、やっぱり、檀流おそるべし!でした(笑)。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022.12.10 02:54:40
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