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浦沢直樹「あさドラ 7」(小学館) 2022年12月のマンガ便に入っていました。12月5日の新刊です。浦沢直樹「あさドラ 7」(小学館)です。
愛機バイパーカブ、セスナですね、で空を飛ぶ女子高生あさチャンの活躍する「あさドラ」も第7巻です。 この巻は、ほぼ全編、1964年10月21日(水)の出来事です。この日付を聴いて 「ああ、あれかも?」 とこのシーンを思い浮かべられる人は、間違いなく還暦を通過して、65歳のの交差点も通り過ぎている人だと思います。 前期、および、後期高齢者のみなさん、アベベですよ。円谷ですよ。ヒートリーですよ。そう、懐かしの東京オリンピックのマラソンの日です。 お若い方々のために、ちょっと横道にそれますが、浦沢直樹は1960年生まれですから、このマンガのこのシーンは「ツクリゴト」だとぼくは思います。 1954年生まれのぼくは、このシーンを、実際にテレビで見ました。 「学校のある水曜日の午後に、どうしてテレビで見られるのか?」 と、まあ、そんなふうに疑問をお持ちになる方もいらっしゃるかもしれませんね。1964年の東京オリンピックが、豊かな家庭にはカラーテレビ、貧しい家庭には白黒テレビの普及に一役かった事件だったということは、多分、戦後復興史の常識だと思いますが、実は、テレビなどというぜいたく品とは縁遠かった田舎の小学生は学校で「オリンピックの時間」という、まあ、今では当たり前ですが、テレビ授業(?)を初体験した事件でもあったわけす。 で、靴を履いたアベベの快走と、円谷幸吉と、この大会でアベベに破られますが、当時、世界記録保持者だったベンジャミン・ヒートリーとの国立競技場での、文字通りデッド・ヒートを、この目で見た記憶があるのですが、当時、4歳だったはずの浦沢君の記憶には、あの実感があるはずがないわけで、 「まあ、ツクリゴトですな(笑)。」 と口走る所以ですね(何、いばってんねん!)。 マンガに戻ります。第7巻では、第1巻の始めから正体不明の、まあ、われわれの世代なら「ゴジラか?」と想像させて、読み手を引っ張ってきた謎の怪獣が、いよいよ正体を現します。で、現したとたんに、もう一体、「なに、これ?ウルトラマン?」が登場して、怪獣対宇宙人のプロレス対決という、なんか、どこかで見たことがあるシーンに、第6巻でもありましたが、あさチャンのセスナによる空中戦が加わって、三つ巴という、ちょっとハチャメチャなは展開なのですが、それがこのシーンですね。 マア、ここ迄のいきさつと、ここからの成り行き、怪獣の全身像は本作を手に取っていただくほかありませんね。 さて、ここから、マンガ家どうするつもりなののだろうという、第8巻を期待させるだけさせて終わるという、浦沢君得意の第7巻でした。 ちょっと付け加えると、怪獣登場のクライマックスへの経緯が、かなり複雑で、正太くんという、貧しいマラソン少年がただのわき役ではない展開が始まりそうですが、さてどうなるのでしょうね。やっぱり浦沢直樹はめんどくさいですね(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.05.08 23:07:03
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