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渡辺京二「未踏の野を過ぎても」(玄書房)
2022年12月25日に渡辺京二が亡くなったというニュースをネットで知りました。「苦海浄土」以来、半世紀以上にもわたって、石牟礼道子のお仕事を支え続けてこられたことが、よく知られた方ですが、彼自身のお仕事も膨大、且つ、重厚で、「これが代表作で・・・」などと利いた風な紹介を許すようなレベルではありません。 しかし、それにしても、渡辺京二という人がどんな思想家であったかということを、何とか伝えたいと思って、思い出したのがこの文章でした。2011年に出版された評論集「未踏の野を過ぎても」(玄書房)の冒頭に収められた、東北の震災をめぐっての発言です。無常こそわが友 いかがでしょうか。こういう方です。震災から10年の歳月が経ちました。確かに潮時だったという実感は残っていますが、「大騒ぎした甲斐もある」方向への変化は、かけらもないというのが事実でしょうね。コロナの騒ぎに関しても、おそらく、無反省となし崩しが大手を振っていくに違いないでしょう。 そういう時代の中で、私たちは、ことにあたってこういう発言が出来る思想家を、また一人失ったということです。マア、ぼくにとっては、ゴミにして捨てる前に、とりあえず手に取りなおしてみる膨大な書籍がまだあることを再確認した訃報でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.01.31 13:56:21
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