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ゴジラ老人シマクマ君の日々

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2023.02.14
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​松本大洋「Sunny 1」(小学館)​​​​ 遅ればせながらなのでしょうね。「東京ヒゴロ」ではまっている松本大洋です。「スゴイ!スゴイ!」と興奮しています。新しく読み始めたのは「Sunny」です。2011年ですから、10年以上も昔の作品です。もちろん「古びた感」は全くありません。​​
「今頃、なにいうてんねん!」
​ なのか、​
「何いってんだよ!遅れてんだよ!」
​ なのか、​
​ そんな声が聞こえてきそうな第1巻でした。おそらく、いろんなところで褒めらている作品なのでしょうね。目次をみただけで「これは!」と思いましたが、読み終えて、予想以上でした。とりあえず目次をご覧ください。​
第1話
「横浜ってどこにあるんやろ」
「知らんわ、東京の辺ちゃうか」
第2話
「ドラキュラの爪てなんで長いんやろ?」
「そら切らへんからや」
第3話
「女子てなんですぐ泣くんやろ?」
「おんなの涙は、ほぼ無敵なんや」
第4話
「大人になったら何になりたい?」
「スパイでレーサーでボクサーのチャンピオンや」
第5話
「夜来て泣きたなったら、どないする?」
「オレ、歌うわ」
第6話
「きょうの晩ごはん、なんやろ?」
「みつこさん、コロッケや言うてたで」
​ ​​​​​いかがでしょうか。題になっている「Sunny」の絵はこれです。 サニー1200。僕らの世代にはジャストミートする、日産の大衆車です。50年前に我が家に初めてきた自家用車がこれでした。ところで、最初に載せた表紙の少年は​春男くん​です。君付けで呼ぶより「はるお」と呼び捨てにした方がいい気もしますが、とりあえず君付けです。で、この絵の中の少年、少女たちが残りの登場人物です。舞台は星の子学園という、いわゆる、児童養護施設です。廃車らしいサニーは動きませんが、子どもたちの念力で空を飛ぶことができたりすることもあります。
 とりあえず、ベスト・シーンの一つを​紹介します。​​​​
第三話のシーンです。 読みにくいですね。ちょっと、セリフを追ってみますね。
よう めぐむ。

ああ・・・ はるお。

どないしてん?

あれや・・・

車にひかれよったんやなぁ。

かわいそにお尻から腸出して死んではるわ。

やった奴。とりつかれて死んだらエエねん‼

なぁはるお・・・


ん――?


あの子のお墓、つくったげてえな。
​ ​めぐむという少女が、川の中で死んでいる猫をのぞき込んでいて、そこにはるおが通りかかったシーンです。ふたりは、同じ​星の小学園​の子どもです。
​​​ 次のページに進むと、はるおは川に入って、死んだ猫を抱えて立っています。橋の上からめぐむはるおに声をかけています。絵は載せませんが、会話だけたどってみますね。​​​
​​​なぁはるお――。

まさかコイツ動いたりせんやろな。

あ・・・こら死んどるわ、コチコチになっとる。

はるおて。


​なんやねんっ‼​


あたしもそないなって死ぬんやろか。


なんや尻から腸出してかい!?


そうや。
車にはねられて川落ちて死んでも誰も見つけてくれやらへん。親がおらん子のことなんか誰も本気で心配してくれやらへんやろ。つめたい川ん中で目ぇむいて、ずっと誰か知らん人に発見されんの待ってなアカンのかなあ、て・・・ウチ、そんなん考えとったら、めっちゃ怖なってん。

​オレがおるやんけ‼​
オレがめぐむ見つけてごっつい墓つくってやるやんけ‼か知らん人とか言うなや‼オレがめっけたる‼

うん・・・ありがと、はるお。早よ上がり・・・風邪ひくで・・・

おうっ、言われんでも上がるわい。
​​​
​​​ さて、この会話がどんな絵と一緒に展開しているのか、気になった方はマンガを探してくだ去るしかないのですが、先ほどの目次もそうですが、この人マンガは、まず、言葉が強いとぼくは思うのです。いい映画には、いいセリフ、印象に残る言葉があることが多いのですが、マンガでも同じようなことが言えそうですね。
 とにかく、一話、一話、読みでがありましたよ。第2巻が楽しみですね。
追記2023・02・27
「Sunny 2」​、​「Sunny 3」を読み継いでいます。書名をクリックしていただくと感想に行くと思います。覗いてみていただければ嬉しい(笑)
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最終更新日  2023.08.02 23:26:23
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