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ゴジラ老人シマクマ君の日々

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2023.03.28
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「花に浮かれて、思い出めぐり!(前編)」徘徊日記 2023年3月25日(土)
 王子公園あたり

​​ 学生生活といえば、もう、40年も昔の話なのですが、そのころ住んでいた町を歩いてみようかと言い出したやつががいまして、この日は午後2時過ぎにJR摩耶駅で待ち合わせました。実は、もう一人来るはずなのですが、1時間ほど遅れて、阪急の王子公園に来るということなので、とりあえず2人で歩き始めました。

「アンナー、甲子園な、外野席いくらか知ってるか?」​​
「なんやねん、甲子園って?」
「そやから、今日行ってたんや。」
「なにしに?」
「なにしにて、野球観にやん。」
「オープン戦か?」
「何ゆうてんねん、高校野球、センバツやん。」
「今年、阪神、強いんかなあ。」
「いや、高校野球、高校野球。」
「お前、まだ、そんなもんに取りおうとんのか?もう、高校とか、仕事いってへんのちゃうの?」
「いや、うちの部活とかやのうて。全国大会。」
「そんなん、おもろいか?ほんで、なんぼやってん?外野、ただちゃうんか。」
「700円。内野は3400円すんねんで。」
「お前、相変わらずやなあ。なんでそんなとこ行くねん。」

​ とか、何とか言いながらやって来た稗田公園です。40年前と同じように悪態をついているシマクマ君はこの辺りに住んでいましたが、木造下宿屋は鉄筋の高級マンション風アパートになっていました。

 で、ここから水道筋に上がって、少し東にぶらぶらして、立て筋の畑原通をどんどん北に登って赤坂通りまで歩きます。当時はすぐそこだったのですが結構な距離です。
「すぐやと思ってたのに遠いなあ。」
「風呂屋もなくなったなあ。」
「高田屋も、本日臨時休業らしいで。」
「あれ、あかんやん。高田屋があいてるから今日にしたのに。」
「F川のとこ、その辺やんな。」
「うん、そこの教会の前や。ないな。」
「しゃあないな、阪急の王子公園に行こか。そろそろS川来るで。」
 ​​​というわけで、西に進路を取りなおして、摩耶小学校あたりです。学校の横の桜の並木が満開です。写真が下手なので白黒写真見たいですね(笑)。​​
 二人の住処のあとは、写真を撮り忘れました(笑)。
 ​駅ではS川君が待っていました。彼は先に来た二人と違って、見かけも中身(?)も常識家です。何せ、出身校が、神戸高校ですし。​
「待ったか?」
「いや。今着いたとこ。」
「高田屋、休みやねん。空いてたら直行かなって考えててんけど、歩くか?」
「うん、それの方がええやろ。歩くつもり出来たし。」
「ここ、公園の桜見ながら上に行ったら、神戸高校やで。知ってるやろ。」
「そうやな、こんなとこ歩くの40年ぶりかもな。」
「ボク、ここ、明日も来んねん。」
「なにしに?」
​「ほら、ケンちゃんの話、ラインでしたやろ。一緒にずーっと本読み会してる。」​
​「ケンちゃんいうたら、あいつの彼女も知ってるやんな。」​
「絵え描いてる娘やろ。」
​「シマクマ、ずっと付き合いあんねやって知らんかったわ。」​
「いや、お嫁さんは知らんで。」
​「アンナ、あの頃やってた雑誌の表紙描いてもろたときにおうてん。」
「ライン見て、探してみたら写真あったで。」
「彼女の?」
「いや、ケンちゃんの。」​
​​
 ​というわけで、王子公園の東の端を流れる青谷川(?)の川端を、三人はうだうだ、とろとろ北上しています。
 お天気が少し曇り加減なのですが、川の向こうには花見の宴を開いている方たちもいるようです。
​​「F川はさあ、毎日歩いてんの?」
「そうやなあ、1万歩かな?」
「1万歩って、アホちゃうか。膝とか痛うなれへんの?」
「うん、アンナ、3月初めに四国行くいうてたやろ。あれ、お遍路やねん。一日6万歩やで。」
「なんで、何の信心もないお前がお遍路やねん。弘法大師に悪いやろ。」
「悪いことあれへんやん。歩くためやん。」
「ぼくな、山歩き再開しようと思ってん、まあ、ヒマになったしな。」
「百名山とかええんちゃう?」
「あかん、あかん、ためしに六甲山にのぼって、ギブアップやったわ。」
「なんで?」
「膝があかんねん。」
「ぼく、坂道あかん。息きれる。タバコやな。まあ、行くなら百低山やな。」​​
​​ ​マア、何とか、神戸高校前のバス停にはたどり着きましたが、さて、どうしましょうね。続きは次回ですね。じゃあ、バイバイ。​​

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最終更新日  2023.03.28 10:49:46
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