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カテゴリ:映画 イタリアの監督
ベルナルド・ベルトルッチ「ラストエンペラー」元町映画館
「12ヶ月のシネマリレー」の2023年4月のプログラムはベルナルド・ベルトルッチの「ラストエンペラー」でした。このシリーズのチラシの表紙になっている作品です。いわずと知れた傑作映画ですね。テレビでも、何度もやった作品のようです。ところがぼくは今回が初見なのですね(笑)。見たような気がしていたのですが、見終えて、 いまさら、あれこれ言うのもなんですが、個人的には坂本龍一の追悼映画として見たということもありました。「やっぱり、初めてだ!」 まあ、ちょっと、あてにならない節はないこともないのです。甘粕大尉を演じた坂本龍一の姿に、なんとなく見覚えがある気がしたんですね。でも、まあ、もし、見たことがあったとしても、初めて見たような静かな感動で見終えました。 「ああ、これが坂本龍一なんだな!」テーマ音楽を聴きながら感慨に浸りました。一瞬でしたが、彼の顔のアップのシーンもありました。 「ああ、この人もいなくなったんだなあ・・・」 まあ、ボクだからの感じ方、見方なのかもしれませんが、映画そのものが、こんなふうに感慨に浸っていられる、そういうゆったりしたテンポだったのが好ましかったですね。 映像は、宮殿や広場の人間の数が、なんというか、スケールの大きな映画をイメージさせますが、閉じ込められた宮殿の奥で「コオロギ」を愛していた少年が60年の波乱の歳月を生きて、コオロギに生まれ変わるというお話の作り方で、いかにも 「これぞ映画!」 という納得の結末でした。 ボクにとっては、好きな時代を舞台にしていることもあって、気づいたことかもしれませんが、あたかも歴史をなぞっているかのようですが、すぐわかることでいえば、たとえば、溥儀と初めて謁見し、後継を指名した、あの、西太后のその場での死とか、服毒死が有名な甘粕大尉の拳銃自殺とかのように 「こっちのほうが面白いで!」とでもいうような劇的なイメージを、入念に仕込んでいる脚本にも「映画!」を感じて面白かったですね。 まあ、60歳の庭師、溥儀を演じたジョン・ローンと子役たちに拍手!ですね。それから坂本龍一、ベルナルド・ベルトルッチには、もちろん拍手!でした。 それにしても、かなりなタイミングな上映で、映画館も、なかなか盛況でしたね。でも、まあ、老人ばかりというのは変わらないですけどね。 監督 ベルナルド・ベルトルッチ 製作 ジェレミー・トーマス 脚本 ベルナルド・ベルトルッチ マーク・ペプロー エンツォ・ウンガリ 撮影 ビットリオ・ストラーロ 美術 フェルナンド・スカルフィオッティ キャスト ジョン・ローン(愛新覚羅溥儀) リチャード・ヴゥ(溥儀3歳) タイジャー・ツゥウ(溥儀8歳) ワン・タオ(溥儀15歳) ジョアン・チェン(婉容) ピーター・オトゥール(レジナルド・ジョンストン) 坂本龍一(甘粕正彦) ビクター・ウォン(陳宝琛=溥儀の教育係)) マギー・ハン(川島芳子) リサ・ルー(西太后) 1987年・163分・PG12・イタリア・イギリス・中国合作 原題「The Last Emperor」 日本初公開1988年1月23日 2023・04・24-no056・元町映画館no169 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.08.01 16:19:06
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