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ルイ=ジュリアン・プティ「ウィ、シェフ!」シネ・リーブル神戸 フランス映画でした。予告編を見ていて思いました。
「明るいな!」 で、やってきたシネ・リーブル神戸でした。観たのはルイ=ジュリアン・プティという人が監督をした 「ウィ、シェフ!」です。 日本で、ようやくクローズアップされ始めている「移民」とか「難民」の問題は、ヨーロッパでは日常的な現実問題なのでしょうね。2020年だったかに公開されたラジ・リ監督のフランス映画「レ・ミゼラブル」とか、最近見たダルデンヌ兄弟のベルギー映画「トリとロキタ」とか、印象深く記憶に残っている作品が、それぞれ取り上げる角度は異なっていますが、テーマとして真摯に描いていたことからも窺われます。 二つの映画が、厳しい現実の姿を「一歩も引かない」とでもいうべきシリアスな展開で描いている様子に、もちろん、それぞれの監督の現実凝視のスタイル、思想性といったオリジナルな理由はあるに違いなのですが、一方で、ヨーロッパ映画のまともさを実感してきました。 さて、「ウィ、シェフ!」です。明るく、ちょっとマンガ的な展開で、ワハハハとはいきませんが、フフフという感じで笑える秀作でした。 報われない腕利きのシェフ、カティ・マリー(オドレイ・ラミー)が、まず、いいですね。生い立ちに始まるキャラクターの作り方とか、テレビの料理番組を利用した告発のアイデアとか、まあ、そのあたりが、まず、マンガ的だとボクは感じたのですが、現実の問題からは目をそらし、イイネ!で大騒ぎしている軽佻浮薄な「お金」と「メディア」の実相を暴いていく展開の中で、行動力溢れる態度で、まっすぐに生きている女性シェフをオドレイ・ラミーという女優さんが明るく、厳しく演じている姿に好感を持ちました。 チラシを見ていると料理映画という触れ込みのようだったのですが、移民の少年たちとオネ~さんキャプテンのサッカーチームという感じで、まあ、厨房が一応舞台なのですが、カンバレ!ベアーズならぬ、ガンバレ!カティーズというノリとテンポで展開するスポーツ映画(?)でした(笑)。 どうも、俳優としては素人だったらしい少年たちもいい感じでしたし、少年たちが暮らす(?)、収容されている(?)、自立支援施設の責任者であるカルディを演じたフランソワ・クリュゼも、なかなか渋い、いいポジション取りでしたし、職員サビーヌをやっていたシャンタル・ヌービルもデカすぎる体を持て余しながら、いい雰囲気を出していましたね。 ルイ=ジュリアン・プティという監督は初めてでしたが、厳しい現実をテーマにしながら、ちょっと笑えるコメディに仕立てている手腕には感心しました。拍手!ですね。今後、どんな作品を作っていくのか興味津々ですね。 オドレイ・ラミーとシャンタル・ヌービルという二人の女優さんは初めて見ましたが拍手です! ああ、そうそう、フランソワ・クリュゼという俳優さんには見覚えがあると思いましたが、「最強の二人」の車椅子のオッちゃんでしたね。もう、10年以上も前の映画ですが、さて、どこで観たのでしょうね。でも、あんまり老けませんね、この人(笑)。で、拍手!です。 それから、なんといっても拍手!は「ウィ、シェフ!」と元気に叫ぶ少年たちでした。いいですねえ、こういうタイプの映画、ボクは好きですね(笑)。 監督 ルイ=ジュリアン・プティ 脚本 ルイ=ジュリアン・プティ リザ・ベンギーギ=デュケンヌ ソフィー・ベンサドゥン トマ・プジョル 撮影 デビッド・シャンビル 美術 アルノー・ブニョール セシル・ドゥルー 衣装 エリーズ・ブーケ リーム・クザイリ 編集 ナタン・ドラノワ アントワーヌ・バレイユ 音楽 ローラン・ペレズ・デル・マール キャスト オドレイ・ラミー(カティ・マリー) フランソワ・クリュゼ(ロレンゾ・カルディ) シャンタル・ヌービル(サビーヌ) ファトゥ・キャバ(ファトゥ) ヤニック・カロンボ(ギュスギュス) アマドゥ・バー(ママドゥ) ママドゥ・コイタ(ジブリル) アルファ・バリー(アルファ) ヤダフ・アウェル(ヤダフ) ブバカール・バルデ(ブバカール) 2022年・97分・G・フランス 原題:La Brigade 2023・05・09-no059・シネ・リーブル神戸no188 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.12.24 21:25:06
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