谷川俊太郎・下田昌克「ハダカだから」(スイッチ・パブリッシング) 今日の案内は図書館の新刊の棚で見つけた「ハダカだから」という詩集(?)です。スイッチ・パブリッシングという出版社から2023年の4月15日に出版されたようです。ちなみに2200円です。高いのか安いのか、まあ、人によりますが、ボクは、こんなもんだと思います。
下田昌克という人が挿絵(?)を描いていて、谷川俊太郎が詩(?)を書いています。やたら?マークを付けていますが、「詩」の定義がわからないのでとりあえず詩集と詩に?マーク、中に描かれている絵ですが、絵が先なのか詩(?)が先なのかわからないので、挿絵といっていいのか、ふと、気になって?マークです。大した意味はありませんが、読んでいて絵が先だったんじゃないかという気がしました。
ちょっとこのページをご覧ください。 ごらんいただいている見開きの左下に「おしり」に見える線画があります。で、この見開きのページの詩句はこんな感じです。絵が先だったんじゃないかということを、ボクなりに確信したページです。根拠はうまく言えません(笑)。
18
横に一本線を引けばもう水平線だ
絵描きは一瞬で空と海とを創造する
あてとは線を自由に遊ばせるだけ
すると見えてくる足尻腿膝指乳首
見える生身に隠れているのは
見えないtenderness
いかがですか。確かに、谷川俊太郎ですね。どうしてそう言えるのかは、うまく言えませんが谷川俊太郎です。下田昌克の絵もいいでしょ。絵を見ながら詩人が詩を書いているようすを、ボクは思い浮かべました。詩人はやさしく笑っています。まあ、そんな感じです。
実は、他のページには女性の「ハダカ」の絵たくさん乗せられています。ナンバーの18は、たぶん、掲載されている詩のナンバーで、全部で20まであります。
谷川俊太郎の、これはひょっとしてデス・マスクじゃないかと思わせる絵もありますが、詩人はまだなくなったりしていません。一番最後ページはこんな感じです。
ちょっと見えにくいですが、雁が列をなして飛んでいくような絵ですが、雁の旅ではありません。「生と死とは背中合わせ」と無言で言っている。
それが、この詩集の最後の一文です。このページの絵が本の表紙に立体的に印刷されています。写真には写りませんが、手触りではかすかなくぼみを感じることができます。女性の背中の手触りです。とうとう、詩集が女性の体になりました(笑)。谷川俊太郎、91歳だそうです。お元気そうで何よりです。
なにをいっているのかといぶかしむひとは、詩集を手に取って絵と詩をご覧くださいね。ちょっと笑えると思います。