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カテゴリ:読書案内 ジブリの本とマンガ
宮崎駿・池澤夏樹 他「堀田善衛を読む」(集英社新書) 宮崎駿の新作アニメ映画「君たちはどう生きるか」が、今年(2023年)の夏前に公開されて、さっそくでかけて愕然というか、唖然というか、あらためて、宮崎駿にカンドーしてきました。
「ボクはこう生きてきた、君たちはどう生きるか?」 69歳のボクにさえ、イヤ、その年齢だからこそなのかもしれませんが、その問いかけが鋭く迫ってくる傑作だと思いました。 映画については、他にも書きましたから、ここでは触れませんが、そうはいっても、これが最後の仕事だろうというのが、ボクの率直な感想でした。宮崎駿は1941年生まれですから、今年82歳です。ボクは、この作品を彼の最後の作品として見ましたという気分でした。 ところが、2023年の9月の月末、「映画製作会社のジブリ・スタジオが日本テレビの子会社になった。」というテレビ・ニュースがながれて、その中で、宮崎駿自身は自作のアイデアを練っているという鈴木敏夫の言葉があって、もう一度、唖然としました。 「ジブリが日本テレビの子会社になる?!」 本当はこれだけで、現在の日本という社会の鬱陶しさについてあれこれ言いたいところなのですが、引っかかったのは 宮崎駿の新作? という言葉のほうでした。 で、この本を思い出したのです。「堀田善衛を読む」(集英社新書)です。 本書は、「ゴヤ」(集英社文庫)、「方丈記私記」(ちくま学芸文庫)の作家、堀田善衛の生誕100年を記念して、2018年に富山県の高志の国文学館で開かれた「堀田善衛―世界の水平線を見つめて」という展覧会での、インタヴュー、講演の書籍化で2018年に出された本です。 今回、この本を思い出したのは、この中に宮崎駿のこんな発言があったとこを思い出したからです。(上に、所収されている文章についてか行きましたが、ここで引用する宮崎駿の文章は、2008年の講演の転載のようです) 堀田さんという人は、私にとっては非常に大事な人です。(中略) で、「漢奸」に関しての話が続きます。長くなるので、省略しますね。そして、彼が大切にしている三つの作品の話になります。 もう一つ僕が大切にしている堀田作品に、「方丈記私記」があります。これは昭和二〇年三月、東京大空襲の最中に堀田さんが「方丈記」を読み、自身の体験と重ね合わせて、そこから新たに発見したことについて書かれたものです。 長々と引用しましたが、ご理解いただけたでしょうか? 宮崎駿の最終作は堀田善衛の「方丈記私記」だ!? どうでしょう、スクープになるでしょうか?(笑)ボクとしては、かなり期待を込めて待ちたいですね(笑)。 まあ、1998年に亡くなって、25年経ってしまったのですが、堀田善衛なんていう作家が、今読まれるのかどうか、よくわかりません。宮崎駿が私淑している作家であることは結構有名ですが、彼の読みは素直で、深いと思います。ボクにとっては「ゴヤ」(集英社文庫・全4巻)、「ミッシェル」(集英社文庫・全3巻)が宿題として残っていヒイキ作家なのです。 で、本書で堀田善衛を論じている方々に関心をお持ちの方には目次のラインアップが参考になるかと思いますので載せておきます。じゃあ、また。 目次 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.02.22 11:34:16
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