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ゴジラ老人シマクマ君の日々

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2023.06.23
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​​NTLive クリント・ディア―「オセロ OTHELLO」 シネ・リーブル神戸
​​​​​​​​ シネ・リーブル神戸で月に1回のペースで上映されているショナルシアター・ライヴを欠かさず観ていますが、2023年、6月のプログラムは、シェークスピアの悲劇「オセロ」でした。3時間を超える舞台です。​​​​
​​ ​クリントン・ディアーによる演出は、メジャーな劇場での初の黒人による演出となり、シェイクスピア学者ジャミ・ロジャーズ博士「英国シェイクスピア史における大きな節目」と評価した注目作。​​

​​ ​​​​なのだそうです。ボクは日本の現代演劇もほとんど見たことがありませんし、もちろん外国の舞台なんて全く知りません。このナショナルシアターのプログラムだけが、かろうじて演劇とのつながりなのですが、このプログラムではシェークスピア劇の現代的演出の舞台が上演されることが時々あります。イギリスでのシェークスピアの受け取られ方というか、文化の伝統に対するズレのようなものを感じるのはそういう時です。
 シェークスピア劇なんて戯曲としてしか読んだことのないボクには、現代的に解釈されているシャークスピアに、ネタはシェークスピアですが、語られているのは現代的なテーマだったりするわけで、​​時に、ついていけないことがあるというわけです(笑)。​​

​​​​​​​​ 今回の演出でも、ムーア人であるオセロに対する人種的な差別や、デズネモーナや、イアーゴーの妻ですが、エミリアに対するミソジニーっていうのでしょうか、​​女性蔑視がくっきりと表現されていて、舞台の雰囲気がとがっている印象を受けました。
 例えば、まあ有名なオセローの嫉妬というか、湧き上がる猜疑心も、単に男女の問題ではない、人種的偏見に対する猜疑心を引き金でとしながら、一方で、信用ならないものとしての女性に対する疑いで下支えしているかの心理の動きが、かなり鋭角的な印象を感じさせてしんどかったですね。​​​​​​​​​​

​ その分、イアーゴーの悪辣な使嗾が、異常にリアルで、演じていた俳優も上手なのですが、面白いというよりも疲れる舞台でした。​
 ここのところ、舞台の転換とかでも、とてもテクニカルに映像が使われる舞台を続けてみたのですが、映像で見る限り、生の舞台での視覚体験をしてみたいなあと思わせるスピードとリアルでした。

​いやはや、シェークスピアって、こんなに疲れるっけ?​

​​​ ​​まあ、そんな感想の舞台でした。映像で見ていることを忘れさせる臨場感というか、中でもイアーゴーをやっていたポール・ヒルトンという役者さん、イヤ、ホンと、すごかったですよ(笑)。​​​​
演出 クリント・ディアー
原作 ウィリアム・シェイクスピア
キャスト
ジャイルズ・テレラ(オセロ)
ロージー・マキューアン(デズネモーナ)
ポール・ヒルトン(イアーゴー)
ターニャ・フランクス(エミリア)
2023年・185分・イギリス・リトルトン劇場
原題 National Theatre Live「Othello」
2023・06・23・no75・シネ・リーブル神戸no​​​​​​​​​​​​​



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最終更新日  2023.06.28 12:22:06
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