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ゴジラ老人シマクマ君の日々

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2023.07.19
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​​​​菅野昭正編「書物の達人 丸谷才一」(集英社新書)
 大文学者とかいうのは、なんか気が引けます。まあ、最後の文人とでも呼ぶのがふさわしい丸谷才一ですが、2012年に亡くなった翌年の2013年世田谷文学館というところで「書物の達人 丸谷才一」と題されて開催された「連続講演会」が書籍化されて2014年に出版されたのがこの本「書物の達人 丸谷才一」(集英社新書)です。
 市民図書館の新刊の棚にありましたが、新刊ではありません。​
目次
はじめに 丸谷才一の小説を素描する 菅野昭正
第1章 昭和史における丸谷才一(川本三郎)
第2章 書評の意味―本の共同体を求めて(湯川豊)
第3章 快談・俳諧・墓誌(岡野弘彦)
第4章 官能的なものへの寛容な知識人(鹿島茂)
第5章 『忠臣蔵とは何か』について(関容子)
あとがき 菅野昭正
 この​目次によれば、講演者が5人ですが、実はフランス文学菅野昭正「はじめに」はかなり気合の入った丸谷才一論です。特に、初期の代表作「エホバの顔を避けて」「笹まくら」という二つの作品を俎上にあげ、中期の「たった一人の反乱」以後への、丸谷流モダニズム小説の変遷をその英国文学体験から語り始める展開は、なかなか読みごたえを感じました。
 残りの五人の論者も、それぞれ、「戦争体験と永井荷風」(川本三郎)、​「新聞書評と英国文学」(湯川豊)、「国学院と折口信夫」(岡野弘彦)、「モダニズムと官能論」(鹿島茂)、「中村勘三郎と歌舞伎」(関容子)​という具合に焦点化した視点で語られていて、丸谷才一という多面体が、5人の論者によって多面的なエピソードが持ち出され、ほぼ全面展開している様相で語られていて飽きません。
 まあ、そういう奇特な方がいるのかいないのかはわかりませんが、文人丸谷才一を相手に「遊び時間」を過ごしてみようかという方には、うってつけの入門書かもしれません。
 まあ、ボクにとってはですが、これは!というようなものすごい話がいくつかあったのですが、その中から一つ、案内してみます。
 第三章の講演者、岡野弘彦という方のお話の中からです。岡野弘彦と言えば、三重県だったかの神社の跡取りで、折口信夫の弟子です。で、國學院大學丸谷才一とは同僚だった歌人です。その岡野弘彦「忠臣蔵とは何か」(講談社文芸文庫)という丸谷才一の評論を取り上げて、日本人の信仰の形について語っている一節があるのですが、そこでこんなことをおっしゃっています。
 これを言うのに少し勇気がいるけれども、丸谷さんをしのぶ会で柔(やわ)なことを言ったら、丸谷さんはきっと怒るだろう。丸谷さんの魂もまだ鎮まってないでしょうから(笑)。大事な問題だから言っておきます。
 日本人は近代になって、革命と言ってもいいような明治維新を遂げたわけですけれどども、その時、多くの死者が出た。そして、その死者の魂の鎮めの問題は今でも続いています。幕末の維新が遂げられて、近代国家へと歩み始めた直後は無理だったでしょうけれども、一〇年、三〇年と経過していくうちに、例えば、佐幕派の東北諸藩の死者たちをなぜあのお社に合祀してやらなかったのか、あるいは、幕府の遺臣たちの中で命を縮めていった人たち、江戸を守ろうとして死んだ人たちをなぜ祀ってやらなかったのか。あるいは、あの八甲田山の演習の死者たちをなぜ祀ってやらなかったのか。
 明治、大正、昭和の三代は日本が近代国家になるために外国と戦いをいくつもした。そして、敵、味方の多くの人が亡くなりました。特に今度の戦いの後、昭和天皇はA級戦犯を靖国に祀ることに絶対に反対であった。それを宮司さんが代わって、福井藩士の松平春嶽のお孫さんで海軍の高級将校であった人が宮司になった途端にA級戦犯を合祀した。それは昭和天皇の与り知らないことであったわけです。そのときから昭和天皇は靖国神社へ参拝なさらなくなった今の天皇もそれを継いでおられます。
 今の天皇明治、大正、昭和の天皇とは違っております。先の三代はあんなふうにいくつも戦いがあって、我々の先輩たち、祖先たちは戦い抜いて、そして、この近代国家、日本ができたわけです。しかし、同時にその戦いの相手の国、あるいは、東洋の近隣の諸国にいろいろな被害を及ぼした。そのことを、敵も味方もへだてなくその魂を鎮めるということに専念していられるのが今の天皇です。そして、昭和天皇よりもさらに細やかに地方を回られ、戦跡を訪ねて、敵、味方の魂を鎮めるためにあんなに敬虔に祈られる天皇と皇后というのは歴史の上にも前例がないほどです。
 だから、そういうことを考えると、今の政治家たちの発言の不用意さというものが、私には嘆かわしいことだという気がします。領土問題について中国の政治家「昔の人たちは非常に聡明だったから解決法もあっただろう。しかし、我々はそれほど聡明にはなり得ていないから、これは保留にしておこう。やがて、聡明な我々の子孫たちが自然に解決する時が来るだろう」と言ったと伝えられています。孔子、孟子の国の政治家が言う言葉ですよね。それなのに前の東京都知事なんかが、大変粗略なことを、然もアメリカに行って申しました。(P114) 
 ​​​​​​​​ちょっと、トンボ切れなのですが、近代日本という国家の成立過程で、見捨てられた荒魂に対する「魂鎮め」、「御霊信仰」をめぐって、「王」として天皇について、穏やかですが、本質的にはラジカルなことをおっしゃっていますね。国家における祭祀の王の役割の意味は、まあ、現代ではタブー視されていて、平成帝戦跡や災害地訪問「やさしさ」のエピソード・ニュースとしてしか扱われないわけですが、さすが、折口信夫の一番弟子という視点ですね。​​​​​​​
​​ まあ、こういう調子で、最後まで飽きさせません。いかがでしょう、古本屋さんの100円均一の平台でも時々見かけます。文人丸谷才一、この本あたりから「遊び時間」を始めてみませんか?​​

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最終更新日  2023.07.19 01:22:32
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