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カテゴリ:読書案内「近・現代詩歌」
「ミッキー・マウス」清水哲男 「戦後代表詩選 続」より
ミッキー・マウス 清水哲男 鮎川信夫、大岡信、北川透という三人の詩人たちが編集している「戦後代表詩選 続」(詩の森文庫・思潮社)という新書をぽつぽつ読んでいます。 鮎川信夫の「近代詩から現代詩へ」(詩の森文庫・思潮社)という新書で、近代の詩を、これまた、ぽつぽつ読み始めた結果、こっちもあるな、とかなんとか思いつて引っ張り出してきた戦後詩のアンソロジーです。 で、この詩に再会してブワーッとなにかが襲いかかってきて、ユーチューブで『A LONG VACATION』を聴き始めると、涙が溢れました。 「スピーチバルーン」という名曲がこのLPの中にありますが、上に引用した「ミッキー・マウス」という詩は清水哲男の「スピーチバルーン」(思潮社)いう詩集に入っている詩の一つです。 で、清水哲男のその詩集が本屋に並んだのは1975年で、ミュージシャンの大瀧詠一がその曲の入ったレコードで、大評判になったのは1981年です。お二人の間には、たぶん、何の関係もありません。ぼくだって大瀧詠一の歌に触発されて清水哲男の詩を読んだわけでもありません。にもかかわらず、大瀧詠一に戻るのはなぜでしょうね。おそらく、ボクの中で、 その時代がひと塊 だからでしょうね。 で、今回、大瀧の「スピーチ・バルーン」という歌の中にこんな一節があることに気づきました。 吐息一つスピーチ・バルーンで、清水の詩の最後の二行がこうです。 僕らは軽く手をあげるだけで 当時はともかく、今回、清水哲男のこの結びの二行に心が揺らいだことは間違いありません。今、耳に手を当て、あるいは、目を瞠り、身をよじるようにして記憶をたどるのですが、あの日、軽く手を挙げて別れた人の姿は見つけることはできません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.09.30 15:29:25
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