|
北野武「首」109シネマズハット 一月ぶりのSCC、シマクマ・シネマ・クラブの例会は世界の北野武が、まあ、ボクにはビート・タケシですが、監督、脚本、原作で、満を持して作った(?)らしい、作品「首」でした。
本能寺の変を描いた時代劇でしたが、まあ、北野映画ですから、殺伐としたグロテクス・リアリズムだと予想して見ましたが、さほどグロテスクというわけでもありませんでした。 SCCでご一緒するM氏の提案された作品の一つだったのですが、北野映画は見たことがないとおっしゃっていたので、そのあたりのことを少し心配しながら見終えました。 「いかがでしたか?」というわけで、心配は杞憂に終わったのですが、ボク自身は、M氏がおっしゃる様式化というか、残酷シーンのパターン化と、登場人物たちのキャラクター設定、信長にだけ方言(尾張弁?)をデフォルメして喋らせながら、ほかの登場人物たちに、音声的なアクセントとしても、少し不自然な標準語(?)を喋らせるセリフ構成、浅薄とでもいうしかない男色描写、どれ一つとっても、今までに見た北野映画を越える要素どころか、ある種の衰弱を感じるばかりで、ダレてしまいました(笑)。 グロテスク・コメディーというジャンルがあるのかないのか知りませんが、暴力的なグロテスクが、同じパターンで繰り返される中で、見ているボクに弛緩現象をおこしたからでしょうか、本来、あっけにとられるべきドタバタ喜劇的シーンも緩んでしまい、笑えない笑いが宙に浮いて、出来の悪いというか、描線の粗雑な劇画マンガを読まされていう感じでしたね。 信長、秀吉、光秀、家康という、本能寺の変を構成する4人の登場人物の性格描写のデフォルメ化に、現代社会の人間類型を重ねた社会批評性を読み取るような見方もあるのかもしれませんが、そういう、社会観、大衆性とは切れたところに北野映画の徹底した暴力性の魅力を感じていたシマクマ君には、チョット、トホホな作品でしたね。 というわけで、SCC第13回は主宰者がずっこけて終わりでした(笑)。いや、ホント、二人して拍手!の映画って、ホントないものですね(笑)。 監督・脚本・原作 北野武 撮影監督 浜田毅 編集 北野武 太田義則 音楽 岩代太郎 キャスト ビートたけし(羽柴秀吉) 西島秀俊(明智光秀) 加瀬亮(織田信長) 中村獅童(難波茂助) 木村祐一(曽呂利新左衛門) 遠藤憲一(荒木村重) 勝村政信(斎藤利三) 寺島進(般若の佐兵衛) 桐谷健太(服部半蔵) 浅野忠信(黒田官兵衛) 大森南朋(羽柴秀長) 六平直政(安国寺恵瓊) 大竹まこと(間宮無聊) 津田寛治(為三) 小林薫(徳川家康) 岸部一徳(千利休) 2023年・131分・R15+・日本 配給 東宝・KADOKAWA 2023・11・27・no145・109シネマズハットno35・SCCno⒔ ! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.11.08 23:10:37
コメント(0) | コメントを書く
[映画 日本の監督 ア行・カ行・サ行 是枝・黒沢] カテゴリの最新記事
|