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カテゴリ:映画 アメリカの監督
ケリー・ライカート「オールド ジョイ」元町映画館 2021年の11月に元町映画館でやっていたケリー・ライカート監督の特集の感想が書きかけでお蔵入りしていたので、引っ張り出して、何とか書き上げて載せました。
見た映画は「オールド ジョイ」です。 見終えて、しばらく座っていて思いました。 この、座り心地の悪さというか、落ち着かなさというのはいったい何なんかなあ? もちろん、映画には納得しているし、だから、映画の筋とか展開についてではなくて、ここに座っているボク自身の、今の気分についてですよ(笑)。 題名の「オールド ジョイ」というのは、たぶん「昔なじみ」とか「旧友」とかいう意味だと思うのですがマークという既婚で妊娠中の妻がいる青年(?)が、カートという、まあ、昔なじみのヒッピー暮らしの男とキャンプに出掛けて、帰ってくるだけのお話なのですが、なんというか、ぼくは見ていて落ち着きませんでした。 車は山の中にはいって行って、何年か前に来たことがあるというカートが道を間違えるというか、わからなくなって、結局ゴミ捨て場のようなところでキャンプすることになります。カートは犬を連れていて、マークはずっと訝しそうです。 翌朝、ようやく道を発見して、目的地(?)の温泉(?)にたどり着きますが、マークを見ていて感じるのは充足感でも安心でもありません。苛立ちと言うほどハッキリしたものでもない、ここにいることの 理由ははっきりしていて、マークがカートを誘ったときの妻の表情か語っていましたね。あの生活から、ひと時逃げ出したかった、まあ、そんな感じでしょう。 で、こういう場合、すぐに男同士の愛情とか、妻である女性の微妙な立場が話題にあがるのですが、それ以前の「友達」ということについて、もう一度考えるべきなのじゃないでしょうかね。 この映画作家が、所謂、世間的な「大人」とか「女」とか「男」とかいうステロタイプ思考に、 「そうかしら?!」 っていう問いを、実にビビッドに映像化していて、だからどうとか、あれこれいう前に、まあ、うまくいえないのですが、 ホントウノコト!をきっぱり!と描いていらっしゃると思います。でも、まあ、たとえば今回は実に頼りない男の二人連れだったわけで、身につまされることしきりで、且つ、チクチクするのですね。だから、まあ、適当なところで妥協(?)して、安穏と暮らしている老人は見終えてへたり込んでしまうのですが、でも、まあ、恐る恐る(笑)拍手!ですね。 監督 ケリー・ライカート 脚本 ケリー・ライカート ジョナサン・レイモンド 撮影 ピーター・シレン 編集 ケリー・ライカート 音楽 ヨ・ラ・テンゴ グレゴリー・“スモーキー”・ホーメル キャスト ダニエル・ロンドン ウィル・オールドハム タニヤ・スミス 2006年・73分・アメリカ 原題「Old Joy」 2021・11・29‐no117・元町映画館no219(132-3) ! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.12.26 23:58:22
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