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ゴジラ老人シマクマ君の日々

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2024.06.03
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佐藤真「エドワード・サイード OUT OF PLACE」シネリーブル神戸
​​​​​​​ 2024年5月下旬から、ちょっとした病院通いと入院があって、月末に何とかして病院からのトンズラを考えたときには、さすがに、
​「これを見るのは、やっぱり無理やろうな・・・」​​
 ​とか思っていたのですが、出てきて映画館のスケジュールを見て、
​「行くしかない!」​​
 と、まあ、大げさですが決心して出かけた映画です。​​
​「多分、これは、見て、ソンはないと思うよ!」​​
​ ​そんなふうに声をかけると、まあ、安静を指示された同居人が、退院早々、三宮くんだりまで映画を見に行こうとしてることに対する心配もあったのでしょう、本当なら、ここのところ哀れな結末が続いている​​だめトラ(笑)​​の応援でテレビにかじりつくつもりだったのを変更してのお付き合いで、同伴鑑賞と相成りました。​​​​​​ ​​​​見たのは「暮らしの思想 佐藤真 RETOROSPECTIVE」の1本、「エドワード・サイード OUT OF PLACE」でした。​​
​ 久しぶりに
​見てよかった!​​
​  あれこれ、いうのが気が引けるほど堪能しました(笑)。​​
「どう、よかった?」
​「うん、よかった。サイードいう人、当たり前のこというてた人やて、ようわかった。」​
「本人、写真と子供の時のビデオでしか出てけえへんのにな。」
​「エンド・ロールに重信メイいう名前があった。」​
「うん、レバノンに居ってんやろ。」
​​「サイードって、平凡社ライブラリーの『オリエンタリズム』の人やんな。」​​
​​​​「うん。元々は比較文学。2003年に亡くなったんやけど、白血病、そのころにはパレスチナについての発言がいっぱいや。みすずから出てたやろ。最後は『晩年のスタイル』大江がマネして、自分の小説に題もろたやつ。それ以外にも何冊か、帰ったらあるはずやで。映画でわかるけど、生き方がエエねんな。」​​​​
「本はむずい?」
「うん、どれもこれも読みかけみたいな感じやな。やっぱり読み直さなあかんなっておもた。」
「また、読まなあかん本ばっかり増えるねえ。」
​​「バレンボイム、よかったな。最後に出てきて、静かなシューベルトやったなあ。なんか、聴いてて涙がとまらへんかった。」​​
​​「ピアノの横の誰も座ってない赤いイスとか、コロンビア大学の空っぽの部屋の机とかよかったなあ。」​​
​「パレスチナって、きれいなとこやったなあ。」​
​「結局、サイードいう人もそうやけど、帰って行かれへん人ばっかり出てて、その人らの様子が、怒る人も、哀しむ人も、ヨーロッパのどこかからパレスチナに来て笑って暮らしてる人も、何で、こうなったのかわらへんいうてはったパレスチナから追い出された人も、他の宗教の人らとも仲よう暮らしてたのにいうてはった人も、みんな、どっか哀しい。」​
​「うん、佐藤真いう人の考え方いうか、人柄いうか。賢い監督やなあって思ったなあ。」​
​​​​ エドワード・サイード、彼の家族、ダニエル・バレンボイム、出てきた人みんな、そして佐藤真と、撮影スタッフ、みなさんに拍手!でした。​​​​
 帰ってきて、この作品を撮った監督の佐藤真が、この映画の2年後に自ら命を絶っていることを知って、言葉を失いました。彼も、もう、帰ってこれない場所に行ってしまっていたのですね。​

​​​​ ここ、二日、チッチキ夫人バレンボイムモーツァルトのCDをラジカセで聴いているようです。ボクは、部屋のどこにあるかわからないサイードの著作を探して、大わらわです。​​​​

監督 佐藤真
企画・制作 山上徹二郎
撮影 大津幸四郎 栗原朗 佐藤真
編集 秦岳志
助監督 ナジーブ・エルカシュ 屋山久美子 石田優子
ナレーション 宝亀克寿
テキスト朗読 山川建夫
キャスト
マリアム・サイード
ナジュラ・サイード
ワディー・サイード
ノーム・チョムスキー
ダニエル・バレンボイム
2005年・137分・日本
2024・06・01・no073・シネリーブル神戸no246​​​​​​​​​​​​

​追記2024・09・23​
​​ 映画の中で聞こえていたのはシューベルトだったのですが、そのCDも見つかりました。チッチキ夫人はご機嫌です(笑)。​​
​​​​​ ボクは、パレスチナにとりつかれていて、サイード「パレスチナとは何か」(岩波現代文庫)とか、ゴンティソーロ「パレスチナ日記」(みすず書房)とか、あっちこっち彷徨いながら読み直していますが、まあ、そのうち案内するつもりです。​​​​​
​​​​ 今日、9月23日読書案内で紹介しましたが、司修の​「さようなら大江健三郎こんにちは」(鳥影社)​に出逢ったのも刺激的でした。​​​​


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​​​​​



追記
 ところで、このブログをご覧いただいた皆様で楽天IDをお持ちの方は、まあ、なくても大丈夫かもですが、ページの一番下の、多分、楽天のイイネボタンを押してみてくださいね。ポイントがたまるんだそうです(笑)​​
​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​






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最終更新日  2024.09.25 10:07:04
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