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カテゴリ:映画「ちょっと遠くの映画館」でお昼寝
小松莊一良「恋するピアニスト フジコ・ヘミング」キノシネマ神戸国際2024年10月28日月曜日です。
フジコ・ヘミングか、久しぶりに、ノンビリ、ピアノが聴けるかな? とか、まあ、柄でもないことを思いついてやってきました。迂闊にも、時々ユーチューブとかで聴いていたフジコ・ヘミングというピアニストが、今年2024年4月に亡くなったということにも気づいていないのですから、いい加減なものです。 映画が始まってシューベルトのピアノ曲が流れ始めて、涙が出てきました。で、ショパン、リスト、ラベル、ドビュッシー、どの曲も、どの曲も、子どものころ姉が弾いていたり、ピーチ姫やチッチキ夫人が弾いていた姿が浮かんできて、目の前のスクリーンの、ごっついおばさんの後ろ姿や、ごっつい手が鍵盤を撫でまわしながら魔法のような音を響かせるに目を瞠り、耳を澄ませながらも、何のとこはない思い出にひたらせていただいた2時間でした。 ユーチューブとかで見ていた、大きいけれど、ふっくらしていた彼女の手じゃなくて、いや、彼女の手なのですが、明らかに、92歳の方の手なのですね。そこが、やっぱり、この映画の凄さだと思いましたけど。足がしびれてとかおっしゃりながらも、ピアノは毎日練習なさるそうです。そこも、スゴイですよね。 ああ、見たのは小松莊一良のドキュメンタリィー「恋するピアニスト フジコ・ヘミング」でした。 映画が暗転する直前になって、ショパンの黒鍵のエチュードを聴きながら、ようやく、今年、2024年の4月にフジコ・ヘミングが亡くなって作られた追悼映画であることに気付いたのですが、90歳を越えているおばあさんのごっつい手ですが、 その手に背中をさすっていただいているような音色 の「ラ・カンパネラ」といい、「月の光」といい、普段、ピアノなんて聴くことのなくなった70歳の老人が聞こえて来るなつかしい音の群れに、ボンヤリと思い出にひたるというか、先に逝った人の生きざまに励まされるというか、まあ、いらんことをクヨクヨ考える必要のない、いってしまえば 至福の時間 だったことが腑に落ちた気がしましたね。 「フジコさん、いいけど、音はずれるよ(笑)。」 出がけに、チッチキ夫人が笑って言っていましたが、ボクの耳には関係ありませんでしたね。拍手!でした。 帰り道、午後6時を過ぎて暗くなったモトコーの路地を歩きながら、 「ピーチ姫は見たんかなあ?」 愉快な仲間のピーチ姫が好きだったはずのビュッシーの「月の光」を思い出して、そんなことが浮かんで来たり、1曲、1曲が、始まりから終わりまで聴こえていたのがこの映画のいいところで、こころが途切れないんですよね。 まあ、それにしても、ここでも、 一つの時代が終わった・・・ という感慨が沸いてしまうのはしようがないのでしょうね。もう一度、フジコ・ヘミングさんの人生と演奏と、ごっつい手と後ろ姿に拍手!です。 監督・構成・編集 小松莊一良 撮影監督 藤本誠司 録音・整音 井筒康仁 音楽 フジコ・ヘミング キャスト フジコ・ヘミング 2024年・119分・G・日本 2024・10・28・no140・キノシネマ神戸国際no15
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最終更新日
2024.10.30 10:26:34
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