初めての文楽です。
学生の時に授業で見に行った記憶はありますが・・・。
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演目は
「寿柱立万歳(ことぶきはしらだてまんざい)」
解説「文楽のたのしみ」
「伊賀越道中双六(いがごえどうちゅうすごろく)」沼津の段(ぬまづのだん)」
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今日は学生が3分の1の座席を占めていましたので、満員御礼の垂れ幕が出ていました。
学生さんと一緒で「文楽鑑賞教室」でしたし解説があり、<太夫><三味線><人形>それぞれの世界を実演を交えて紹介してくれ、文楽のイロハがよくわかりました。
「伊賀越道中双六」沼津の段」は、敵同士として再会した親子が、父親が自らの命を絶つことでしか、お互いの義理を貫くことが出来ない悲劇を描いたもので、やたらに偶然が重なっている話なのです。
文楽人形の特徴は、一体の人形を三人で操るという、三人遣いです。
‘主遣い’は、左手で首(カシラ)の胴串を握って人形全体をささえ、右手で人形の右手を操作する。
‘左遣い’は、右手で人形の左手を遣う。
‘足遣い’は、両手で人形の両足を操る。
3人の気持ちがピッタリ合って、まるで生きているようです。
文楽の‘語り’にも感動しました。
文楽では登場人物のセリフだけではなく、その場の情景から事件の背景の説明まで太夫ひとりでやるんですね。
登場人物の語りわけや、いろいろ変化をつけて語られて、すごいな~と思いました。
太棹の三味線の音色も素晴らしく、太夫の語りを助けることが大事のようで感動しました。
舞台の両脇に‘義太夫節の太夫の語り’が、字幕が出ています。
外国のオペラを見に行った時の字幕スーパーみたいで、昨年から始めたそうです。
楽屋裏見学もさせていただきました。
写真は「お光のお人形」です。
お光のお人形を触らせていただき、お人形の重さと左手の扱いの大変さに驚きました。
これが‘主遣い’というのですね。
私が操ってみると、重くて、頭がうなだれます。
そして、丁度、学生さんの為にだけ‘三番叟’を‘二人遣い’で演じるのを舞台裏から見学させていただきました。
正面から見るのとでは、ずいぶんと違いがわかります。
正面舞台では隠れている部分が、舞台裏からだと全部見えるので、人形と黒衣の3人が宙に舞っているように見えます。
人形の修業はまず足から始め、ついで左、最後に‘主遣い’となるのが順序だそうで、昔から「足十年、左十年」といわれるほど、長い修練を必要とするようです。
文楽は、能楽、歌舞伎とともに日本のすぐれた文化遺産で、国の「重要無形文化財」に指定されているのですね。
これからも、時々伝統文化に浸りに来たいと思いました。