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人間って、なんて忘れっぽいのでしょう・・・。ここ数年間、
サスペンス小説に耽溺していたけれど、その前は結構英国小説読ん でいた。フォースターの『はわーず・エンド』とか『ながめのいい 部屋』『モーリス』とか、前にも書いたけど、すごーく好きだった のによくも、忘れたまま生きてたもんだわ。 第一、本棚の何処にもないし、きっと実家に送ってしまったんだ。 薄情な私。ぐりママの実家にはそもそも本なんか殆どなくて、 友達に熊本日日新聞の記者の娘がいて、その人の少年少女世界名作 全集を読ませてもらって今日にいたるが、ある時、本のセールスマ ンが分厚い本を見本に持ってきて「置いておくから、気にいったら 買ってくれ」と言って、そのまま置いていってくれた、その本こそ 『ハワーズ・エンド』であり、ノーベル文学賞を貰ったゴールディ ングの『蝿の王』でした。うちには本といえば、後にも先にもその 2冊しかなくて、それを読むしかなかったですね。 しかも、内心、いつ取り返しにその小父さんがくるかと怯えながら 『蝿の王』よんでました。小学生にとっては、あんなに面白い本は なかったですね。『ハワーズ』さんは夢にうなされるくらい 面白くなくて、遂に最後まで読めませんでした。 だから、大人になって読んだら、びつくりしましたよ。あまりの面白さに・・・・・。 日本が誇るカズオ・イシグロの 「日の名残り」について、丸谷才一いわく、「彼が現在のイギリス人の生活と1世紀の有為転変をすっきりとらえることができるのは、外国系の作家なので客観的になれる」とあって、『ハワーズ・エンド』を連想されると書いてある。 この感想(丸谷さんの評論)が、私の感想とまったく一緒でしたね。 作者名伏せてたら、フォースターさんが書いたと思うほど英国人の 本でした。どうでもいい事をなんでえんえんと書いてるのか解らないが、きっとサスペンス漬けの日々に、涼風が吹いたような、 1つの季節を思い出して、懐かしかったんだわ。 ちなみにゴールディングはアメリカですよね、あの立派な高い本を ぱくってしまってごめんなさい。20世紀の文学全集の内の2冊です。あと、思い出させてくれた方々、ありがとうございます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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