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カテゴリ:随想
たのしみは 小銭を稼ぎ 映画見る ワクワク感で 街向かうとき
昭和30年代の話題です。私がよく行く温泉に磐梯熱海駅前にある霊泉元湯があります。その元湯の常連客であるIさんの逸話です。Iさんが小学生のころの小遣い稼ぎは、野鳥を捕まえて郡山市桜通りにあった小鳥屋さんに買い取ってもらったのだそうです。捕まえたのはシジュウガラ(ホオジロ)が多かったとのこと。一羽150円で買い取ってくれたのだそうです。その金で映画を観て、ラーメンを食べることができたとのことです。磐梯熱海駅から郡山駅まで遠征して一日楽しんできた軍資金は野鳥を捕まえて資金にしたというわけです。 どんな方法で野鳥を捕まえたのか気になったので尋ねてみました。一つはトリモチを使ったそうです。棒の先にトリモチを巻きつけて野鳥が止まり木にしそうな場所に置くと鳥の足が粘りついて動けなくなったのを捕まえると云うことです。トリモチを私は見たことがないのですが、どうやってトリモチを手に入れたのかも聞いてみました。小麦の粒を口の中の奥歯で噛み砕きグチュグチュやっているとネバネバとしてきてトリモチができたとのこと。枝に巻いてから火で炙ることによってより粘りが出たそうです。 もう一つの方法は野鳥が木の穴(巣穴)に入ったのを確認したら、その木によじ登って穴に手を突っ込んで直接素手で掴み取る荒技を駆使したとのこと。トリモチに止まるのを待っているよりも捕まえる方が手っ取り早いということでした。ちなみに昔は野鳥を捕まえても罪にならない時代でしたが、今では野鳥保護法という法律があり、野鳥を捕まえることはご法度となっております。 あとでweb検索でトリモチの作り方を調べてみましたら、トリモチの作り方は樹木の皮から作る方法と小麦粉からも作れることがわかりました。ネズミを捕まえるのもトリモチを使えると知りました。 昭和30年頃の映画館の入場料は子供は50円内外でした。ラーメン一杯の値段は35〜40円。合わせて90円ですから残りの60円で磐梯熱海から郡山駅の往復乗車券が買えたと云うことですね。昭和30年頃の日雇労働者の日当は400円位。現在、建設現場の見習い日当は8000〜10,000円ですから、当時の野鳥一匹買取値段150円は、今なら約3,000円位でしょうね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021/08/31 10:18:39 AM
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