思い出しても腹が立つ。
先日、娘となんとなくテーマパークのお化け屋敷攻略法の話になってこんなことを思い出した。2,3年まえのこと。家族で都内のアミューズメントパークへ出かけた。屋内の施設で最新のCGや技術を屈指した乗り物ばかり。もちろん子供達は大喜びだが、私が一番入りたかったのはお化け屋敷。嫌がる子供達を「そんなに怖くないよ。」などとなだめすかし、無理やり入った。(もちろん、ダンナは適当な理由を付けて入らない。)そこは10人位づつのグループで一人のナビゲーターが説明しながら部屋を移動。ゾンビや異生物に扮した人間がいきなり襲ってくるというやつ。なんかのSF映画とのタイアップで、宇宙基地という設定らしく部屋も大して暗くないし、もうどこからゾンビが出てくるかもみえみえで怖くない。私はグループのちょうど真ん中あたりに居たのだが、広い部屋に移動したとたん、うお~!!とうめき声がして、後ろからゾンビが襲いかかってきた。くるくると思っていたのでさほど驚かなかった。しかし次の瞬間、予想外な展開が。「ギャー!!」とすごい悲鳴が聞こえたかと思うと何者かにドンと突き飛ばされた。かよわい(?)私はその場に倒れこみ、とふくらはぎに激痛。その悲鳴の主は私を突き飛ばした上に、ふくらはぎを思いっきり踏んづけて、一番前まで走り抜けた。そいつはゾンビでも宇宙人でもなく二十歳くらいの女。「いったーい! 踏まれたー! しんじらんなーい!」と叫ぼうが女はまだきゃーきゃー言いながら逃げていく。(他人のことなどお構いなしだ。)気づくと私は一番後ろ。痛みをこらえながら立ち上がろうとすると、すぐ後ろにゾンビが。うおおー! と私に襲い掛かろうとするが、私はもうブチ切れ状態。「うっさいわねえ。それどころじゃないのよっ! あっち行って!」と私のにらみにゾンビも思わず二、三歩後ずさり。そのあとはもう足が痛くてお化け屋敷どころじゃない。「ママ、大丈夫?」 と子供も心配そう。「あの女よ。あいつに踏まれたの。」いや、実際痛みはすぐに治まったのだが、怒りはめらめら。一言くらい謝ってくれればいいものを。結局その女はきゃーきゃーと最後までお化け屋敷を堪能し、姿を消した。子供達、普段はお化けが苦手なのだがこの日ばかりは、ゾンビより怒りめらめらの母の方が恐かったに違いない。もう何年も前のことなのにはっきりと覚えてる。怒りの記憶って忘れないものなのね。