Is Photographic memory absolutely no use?
学生運動が華やかなりし頃、街中には自由の風が吹き、フーテンのシルフちゃんは…確かテアトル新宿やったと思う。地下に降りる階段がある名画座で『ペーパー・チェイス』って映画を独りポツンと見ておったりしたな。あのオーソン・ウェルズとも仲のいい、ルーマニア出身の俳優、ジョン・ハウスマンがアカデミー賞とゴールデングローブ賞の両方獲った。プロフェッサー・キングスフィールド。(キングスフィールド教授役)映画は、アメリカの学生がいかによく勉強をするかっちゅうのを、これでもかっていうぐらいに描いた学園ドラマで、主演のティモシー・ボトムズ(「ジョニーは戦場へ行った」)とリンゼー・ワグナー(TV「バイオニック・ジェミー」)の恋愛シーンなんか全く影にかすむくらい、勉強、勉強、勉強シーンの連続やった。その中でも、もっとも印象に残った授業中のシーン。全米の超エリートが集まるハーバード・ロー・スクール(法科大学院のようなところ)の学生の一人が、全ての物事をひと目見るだけで、写真のように頭に入る記憶力の天才(まさにPhotographic memoryの持ち主)がいて、この名物教授に愚弄される。「Photographic memory is absolutely no use for you,Mr. Brooks! without the ability to analyze that vast mass of facts between your ears. 」(君が誇る)写真的記憶(「Photographic memory」)なんて、いったいなんの役に立つっちゅうねん!大切なんは君の周りにある膨大な事象をいかに分析できる(アナライズする)か、っちゅう能力や!下記サイトにて映像が見れます。http://www.dailymotion.com/video/xaerj3_a-photographic-memory-is_shortfilmsこの映画が製作された1973年頃は、世界中に学生運動が吹き荒れ、学生は誰もが勉強を放棄し闘争にあけくれておった。キャンバスがまさにバリケードだらけの戦場やったから、それこそ寝る以外は全て勉強に費やす学生の姿はいっそう新鮮に映った。もっともエンディングは、そんな人生でエエのん? っていう懐疑的かつ否定的な終わり方なんやが…。浜辺で、成績通知とおぼしき手紙を中身も読まず、主人公が紙飛行機にして飛ばしてしまう…。(思いっきりネタバレじゃ)この映画の原作者は、実際にハーバードのロースクールを卒業したジョン・J・オズボーンJr.で、撮影はゴードン・ウィリス(後に「ゴッドファーザー」で有名)が担当。実に叙情的で心に残るシーンが多い。ところで最近思うが、この写真的記憶「Photographic memory」って、案外、今の情報社会には役に立つんちゃうん?いっぺん見たら全てを覚え忘れない記憶力。なんて便利やねんな。先日、東大生や京大生の頭脳グランプリみたいなクイズ番組を見たが、優勝者は明らかに「Photographic memory」の持ち主やった。その記憶力の差が勝敗に繋がった。Stardust memoryかHouse dust memoryしか持ち合わせておらんシルフちゃんには是非とも欲しい能力じゃがな。忘れモンばかりしていてゴメンチャイ。(-_-;)