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30代からのにょほほんワーキングホリデーinニュージーランド

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2007年03月19日
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カテゴリ:日本での日々
 縁があって、野生のニホンザルの調査をされているサル学の先生が案内される自然観察会、フィールドウォッチングに行ってきた。

 場所はうちから車で1時間のところにある魚津市の里山。

317137hito.jpg
↑歩く参加者のみなさん。
 参加者約10名。

 少し雪の残る林道を歩く。
 高台から下の田んぼを見ると・・・。

317120sarutetu.jpg
↑あっ!サルがいた。

317131saruesa.jpg
↑田んぼに捨てられた野菜を食べているサル。
 このすぐ近くに人家がある。
 望遠鏡にデジカメをあてて撮った写真。

317127saruf.jpg
↑サルの群れ。
 ぜんぶで10頭ほどいた。
 ちなみにいうとサルの群れに「ボスザル」という概念のサルはほんとはいないそうです。

 ものすごくあっさりとサルが見られたけど、サル学の先生がいるからサルに出会えたわけではない。念のため。
 先生でもサルに出会えることは少ないそうだ。
 ものすごいラッキー。

317134ashiato.jpg
↑ラッキーついでに雪にサルの足跡が残っていた。
 人間のような手形。

 そしてサルの糞も見つけることができた。
 先生が綿棒を取り出して採取する。
 これをDNA鑑定して、どこの地域個体のサルかを判別して分布を確認するそうだ。

 こんなになんでもそろったのはほんとに奇跡に近いらしい。
 すごいな。

317148saruyama.jpg
↑さっきのサルが登ってきた。
 そのまま山の上に行く。 

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317156sumi.jpg

 歩いたあと、地元の方の炭焼き小屋でお昼を食べながらサル学の先生からいろいろ話を聞いた。

 サルの農業被害はこれ見てるみなさんもニュースで知ってるでしょう。

 もともとサルはあまり深い山にいるわけではなく人里に近い里山にいるものらしい。
 明治以前は里山にサルがいたけどサルの被害は少なかった。

 大きな理由は2つ。

 1つめは、食べ物は人間が食べる分しかなかったから。
 サルにやるほど食べ物があまっていなかったからだ。

 明治以降、富国強兵策で、一般人にも鉄砲が持てるようになり、みんなこぞって狩りに出はじめサルの数が少なくなってしまった。

 狩りをやらないようになり、サルがまた里山にもどってきた。
 すると人間があまった食べ物を捨てるようになっていてそれを食べるようになってしまったのだ。

 サルにしてみれば「あっ、こんな近くにエサがある!」と食べてるだけのこと。

 2つめは、里山に「人間のいる気配」があったから。

 以前は里山には人が入って薪を採取したりして、里山に「人間のいる気配」があり、サルも不用意に人家まで下りてくることはなかった。

 けど、近年は里山は荒れ放題。
 「人間のいる気配」がなくなってしまったのでサルも警戒しなくなったわけだ。

 サル学の先生がまずできるサル被害対策として言っているのは「食べ物をむきだしで捨てない」ということ。

 2枚目の写真のように、多分、田んぼの所有者は肥料のつもりであまった野菜を捨てたんだと思うけど、これじゃ「どうぞお食べください」と言っているようなもの。
 コンポストなどを使ってにおいが外に漏れないようにするべきだと。

 でも、行政もしっかりしていなくて、先生に行政から「どうしたらいいですかね?」と聞かれて提言しているんだけど、末端の農家まで伝わらないということ。
 行政内だけで書類が回っただけで完結しているらしい。
 先生も歯がゆいらしい。

 とはいえ対策にかかっている行政もあるのです。
 この先生、安価でできる電気防護柵をすすめているんだけど、行政といっしょに公民館で説明をしてもあまり取り入れてもらえないことがあるらしい。

 農家の主は大抵おじいちゃん。いろいろと理屈を言ってそんなんじゃ意味がないとか言い出しちゃう。
 おじいちゃんの若いころはちょうどサルが奥山に追いやられていたころ。
 昔はサルはこんな近くまでいなかった。こうなったのは行政の政策のせいだ。行政が補償すべきだとまで言ってくるおじいちゃんが中にいるらしい。
 かわりにおばあちゃん方のほうが積極的に取り入れてるそうだ。

 柵にふれるとビリッとくる柵。
 サルがふれてビリッとくると「こりゃかなわん」と易々と里に下りてこなくなる。
 実際効果があるそうだ。

 サルはこの問題に歩み寄ってはこないけれど、行政と農家は歩み寄らないといけないようだ。

 先生が最後に参加していたみなさんにこのことを知り合いの方にもぜひ知らせてください。とおっしゃっていた。

 サルは悪くない。





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最終更新日  2007年03月19日 17時57分37秒
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